一肌ぬげるかどうかが人脈の決め手になる--『人脈のできる人』を書いた高田朝子氏(法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科准教授)に聞く

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--メンテナンスも大事ですね。

先ほど人脈は生き物と言ったが、長時間直球勝負型や、細切れ時間有効活用型といったメンテナンスの方式があるようだ。前者は男の人に多く、後者は女の人に多い。

男の人は悩みや相談があると、飲みに行って話そうとよく言う。赤ちょうちんで一杯やって3時間でも4時間でもじっくり話す。女の人の場合はそうではない。細切れの時間に都合をつける。面談した仕事ができる女性は、結婚している人が多かった。子どもの世話をしなければならず、そう飲みに行けない。たとえば社内ネットワークなら空いている時間に巡回する。突然行ってすーっと帰ってしまう。

女性は相手の世代を問わないで、そうする。男の人にはそれはできにくい。腰を落ち着かせて話を聞きたがるのは、そうしないと失礼だと思っているところもある。女の人はつまみ食いでもうまくいくことが多い。

--女と男で人脈に違いがありますか。

女性の場合は人脈というと男の人がくる。これはしかたがない。男性が社会的に多いから。今回、男性のミドル世代で人脈として女性を挙げた人がいない。本来なら、いちばんの人脈は彼女、という人が何人かいないと、社会としてはおかしい。

女の人は「おじさんネットワーク」には入れないという。男の人は男の人で、女の人はインフォーマル・ネットワークなどでうまくやっているぜ、と思うらしい。互いに幻想を抱き合っているのではないか。

--最近は社内にロールモデルがいないといわれます。

これは男の人も言う。バブル入社以降の人たちは、バブル時に入社した先輩と同じにしないでほしいと言う人が少なくない。ロールモデルというと、女の人は完全を求めがちだ。男の人は部分を認め、こいつのここはしょうもないが、ここはすごいと認める。そういう意味で女の人は不器用だ。いろんな人のいいところを合体させればいいのだが。

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