ニホンウナギ養殖制限、"国際合意”の舞台裏

資源管理に向けた一歩だが課題もある

絶滅危惧種に指定される中、今後もおいしいウナギを食べられるのか(写真はイメージ、撮影:高橋孫一郎)

丸2年、計7回に及んだ、ウナギをめぐる国際協議がひとまず決着した。

日本、中国、韓国、台湾は9月17日、ニホンウナギの養殖制限で合意。各国とも今年の11月から1年間、ウナギの稚魚を養殖池に入れる量(池入れ量)を、直近1年の実績から2割削減する。翌年度以降の制限量は、あらためて協議して枠組みを決める方針だ。

ウナギは完全養殖が難しく、稚魚を捕獲して成魚に育てるしかない。ところが近年、濫獲や生息環境の悪化を背景に、ニホンウナギの稚魚が不漁に陥っている。今年6月には、国際自然保護連合が「絶滅危惧種」に指定したことも、大きな話題になった。

合意の直前まで難航

水産庁は2年ほど前から、産卵に向かう親ウナギの漁獲規制や、稚魚の漁期短縮を行っている。ただ、ニホンウナギは回遊魚で広範に生息しているため、最大消費国である日本が主導する形で、2012年から中国、台湾と資源管理を目的とした3者協議を開始。後に韓国も加わった。

今回の協議に参加した水産庁の太田愼吾・漁場資源課長は詳細を語らないが、「4月から6月にかけ、いろいろな意見が出た。それでもやっぱりダメという繰り返しだった」と話す。関係者によれば、日本側は当初、制限の目安として過去3年(10年11月~13年10月)平均を提案。だが、特に不漁だったこの時期を基準にすると制限量が厳しくなるため、他国の同意を得られなかった。そこで譲歩し、比較的豊漁な直近1年(13年11月~14年10月)を含む4年平均を再提案したようだ。

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