PB(プライベートブランド)高級化の試練、競争は第2ステージに突入

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 同スーパーでは今期に入り、PB売上高が前期比2割程度も減少している。イオングループ全体では10年3~5月期のPB売上高は2・5%増に留まり、3割強も増えた昨年とは環境が一変。セブン&アイ・ホールディングスも数値は非公表だが「NBの低価格化で非常に厳しい状態」(イトーヨーカ堂の高橋信・食品事業部グループMD担当チーフバイヤー)と打ち明ける。

両社とも、一時的な節約志向への対応策としてPBを位置づけているわけではない。イオンは今期、「PBの売上高目標は(前期比24%増の)5600億円」(久木邦彦取締役)に設定。セブン&アイも12年2月期に5000億円(10年2月期比56%増)を掲げる。

停滞市場へのカンフル剤として両社が考えたのが、PBのプレミアム化だ。NBと同価格かそれ以上で、より高付加価値を訴求する。PB比率の引き上げに貢献するだけでなく、激安PBと違って利幅も大きい。

イオンはすでに、NBの平均価格帯より4割高い278円のレトルトカレーを発売している。「具材にこだわり、これまでつかめなかったシニア層中心に人気を博している」(久木取締役)。セブン&アイもPBを高価格帯へシフトさせて、ブランド価値を高めることで購買層を広げる狙いだ。


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