産業リサーチ(スーパー・コンビニ) 食品スーパーの再編加速、コンビニはローソン、ファミマ巻き返しへ

食品スーパーは再編の動きが活発だ。大手総合スーパーのイオンが活発なM&Aを武器に全国展開し、業界を揺さぶっている。ウォルマート・西友などほかの大手も今後、積極的にM&Aを仕掛ける可能性があり、食品スーパーは生き残りのために、「大手の傘下か、地元同士で組むかの二者択一を迫られる」(証券アナリスト)。すでに北海道では勢力を伸ばすイオンに対抗する形で、地元有力スーパー2社が経営統合を果した。
 イオンはいなげやに出資するなど首都圏展開も急だが、ここではダイエー系列のマルエツが独自の食品スーパー連合形成へ動く。マルエツはここにきて東武ストアへの出資も決めた。今後、電鉄系ストアの「八社会」と交錯する場面が増えそうである。
 食品スーパーはオーナー色の強い企業が圧倒的に多く、「それぞれの企業文化の融合は難しい」(業界関係者)と言われてきた。だが、食品スーパーには総合スーパーに対する強いアレルギーがあり、総合スーパーの傘下に入るよりは地元同士で手を組み、生き残りを模索する動きが今後高まってくるだろう。
 一方、コンビニエンスストア業界の再編はほぼ固まった。ローソンはダイエーから三菱商事へ、ファミリーマートはセゾンから伊藤忠商事へそれぞれ系列が変わり、イトーヨーカ堂=セブン‐イレブン・ジャパンの最強コンビ追撃へ意欲を燃やす。
 ただ、高成長を謳歌してきたコンビニも業界内の出店競争や24時間化スーパーとの競合でここ数年は伸び悩みぎみ。唯一、高水準の新規出店を続けるセブンの独り勝ちの様相を呈している。ローソンとファミリーマートは、このところ不採算店の閉鎖など”負の遺産”の処理を優先してきたが、そうした課題がほぼ解決し、2003年度からは再び出店を本格化させる方向だ。久々に上位3社間の激しい争いが見られるかもしれない。
 この上位3社が中国市場で激突するのも間近だ。ローソンはすでに上海で展開するが、今年はセブンが北京、ファミリーマートが大連など沿岸部出店を計画している。各社ともしばらくは実験の域を出ないだろうが、今後、日本とは違う勢力図が形成される可能性もあるだろう。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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