保険料値上げで、家計がつぶされる 【短期集中連載】保険は今より6割安くできる!

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これは、春の消費税率アップの影響によるものだ。相手に支払う損害賠償金や車両保険のクルマの修理代など、消費税がアップした分だけ割高になり、保険金の支払額が増えることが見込まれるためである。

マイホーム、マイカーを所有する世帯にとってはなんとも手痛い、畳み掛けるような保険料アップだ。

生命保険料よ、お前もか!?

では、生命保険料についてはどうか。

昨春、生命保険会社各社は、新規契約の生命保険について保険料の値上げを行ったばかりだ。その大きな要因となったのは、「標準利率」の引き下げだった。

標準利率とは、生命保険会社が保険料を決める要素の1つである「予定利率」の参考となるもので、10年ものの国債の過去3年間のデータに基づいて国が決定している。昨春、標準利率が1.5%から1%に引き下げられたことを受けて、生命保険会社は予定利率を従来の1.65%から1.5%程度に引き下げを余儀なくされ、これが保険料アップにつながったのだ。

つまり、今後、生命保険料がさらに値上げされるかどうかの大きなポイントは、標準利率の動向しだいといえる。金融庁では近い将来、この標準利率の算定方法を見直す意向をもっているともいわれており、もしもそうなって、標準利率が今より引き上げられることになれば、それにしたがって生命保険の予定利率が上がり、保険料が値下げされることも考えられなくはない。

このように、損害保険、生命保険とも保険料の値上げが進む一方で、消費税率アップや物価の上昇傾向により、家計の支出はますます厳しさを増している。それなら収入が増えているかといえば、世間でいわれている景気回復の声に、首をかしげたくなる世帯も多いはずだ。

出ていくお金が増え、入ってくるお金が以前と変わらないのなら、なんとかして家計の支出を抑えるしかない。

とはいっても、長期間にわたる節約は、そう簡単にできるものではない。なるべくストレスを感じずに節約するには、家計の中で固定費の支出の割合を下げる工夫をすることだ。

その一番いい方法が、保険料の支払いを減らすことである。

保険のプロがすすめる、保険料を安くするためのさまざまな方法を、次回からお伝えしていこう。

 

 

 

都倉 健太 東京プロビジョン代表取締役

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とくら けんた

都倉健太 とくら・けんた
保険代理店・東京プロビジョン株式会社代表取締役。
ファイナンシャル・プランナー。兵庫県神戸市出身。東京都立川市在住。大阪市立大学(商学部)卒業後、平成4年、三井海上(現・三井住友海上)に入社。査定部門を経て、営業部門に配属。数多くの代理店を担当し、豊富な知識に基づく教育指導には定評があった。同社を退職後、平成16年、保険代理店の理想像を実現するために東京プロビジョン株式会社を設立。豊富な商品知識と業務経験を持つ保険会社のOG・OBが中心となって構成された前例のない保険代理店として、業界の注目を集める。著書に『保険会社の社員が家族にしか教えない“本当”の保険の選び方』(東洋経済新報社)、『これだけは知っておきたい「生命保険」の常識と選び方』(フォレスト出版)がある。
〈連絡先〉support@tpv.co.jp

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