10年後、「無業」に陥らないため今すべきこと 城繁幸と西田亮介、「若者と仕事」を語る(後編)

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:当たり前のようでいて、サラリーマン生活にどっぷり浸かっていると、これができなくなるんです。日々のルーチンワークと「上司から降ってきた仕事」をこなすばかりで、「自分で仕事を見つける」ことができなくなる。この「サラリーマン根性」を捨てることが、もっとも有効な失業対策だと私は考えていますね。

西田:それは就職活動の頃から誰しも肝に銘じておかなければいけないことですよね。キャリアセンターには、毎日のように「自分に合う会社ってどこかありますか?」「自分に合う仕事って何なんですかね?」と相談にくる学生がいるわけですが、そんなものは「無い」に決まっています。

そもそも、問題意識もなく、「自分に合う仕事」をくれる会社を目指している時点で、会社に入る前から「サラリーマン根性」に染まっている。そこが出発点だと、横並びのエントリーシートになってしまうのも当然です。そうではなくて、自分で、あるいは、その会社の中で「自分のやりたい仕事を作っていく」と。

:日本の雇用システム全体は、すぐに変わるものではありません。でも、気持ちの切り替えは、今この瞬間からでもできますよね。「10年後」に自分が社会で活躍できる場があるかどうかは、今から試行錯誤をしていくしかない。

眼に見えないかもしれませんが、社会は少しずつ動いているので、立ち止まっていれば、今はメインステージでも必ずいつかはダメになる。今の仕事をほったらかしにするということではなくて、しっかりと「10年後」を見据えていろいろなことに挑戦していきましょうということですね。

(撮影:今井康一)

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東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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