人生に行き詰まる前に読む、「現実脱出論」 自分を縛る「現実」とは何なのか

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初期の構想から6年を経て書き上げたという新著の『現実脱出論』は、現実という窮屈な世界からの解放を促す。そこには多くの人が、かつて感じたに違いない風景が描かれている。

「友達の家の匂いの記憶」「日曜日の朝は時間がゆっくりと流れていたこと」「居酒屋の広さが、客の入りによって伸び縮みするように感じること」「劇場では、各席で部隊の見え方が違っており、誰1人、同じものを見ていないこと」など。なつかしさを感じるような、いろいろなシチュエーションが描かれている。

脳がほぐれる体験

本書の文章は、ページに沿ってまっすぐ論理立てて進んでいくわけではない。最初のページからまっすぐ順番に読み進む必要はない。理屈っぽく読むのではなく、子供のころを思い出すための手軽な手引書として読むといいだろう。

自然の中の木々の様子、建物の立ち並ぶ都市、人々の歩く様子・・・。帯に描かれているように、そうした「目に映る景色をガラリと変える」きっかけになるはずだ。

とくにオトナになってから久しい、30~40代の、猛烈に働いているビジネスパーソンにとっては、子供のころの新鮮な感覚がよみがえると同時に、脳がほぐれるような感覚に浸ることができるはず。今日の仕事、明日の仕事の計画づくり、そして家庭サービス・・・。現実に縛られっぱなしで行き詰まりがちな思考回路が活性化すれば、常識にとらわれないビジネスアイデアを導き出すきっかけになるかもしれない。

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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