「添加物入りドリンク」との付き合い方 「何も飲めないじゃないか!」と嘆く人々へ

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2日目の記事の安部さんは、「覚える必要などない。台所にないもの=食品添加物、と考えればよい」とアドバイスする。

たとえば、砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそなどの基本調味料は一般的な台所にあるだろう。重曹(ふくらし粉)、ベーキングパウダー、ゼラチン、寒天もあるかもしれない。だが、「保存料」の「ソルビン酸カリウム」、「酸化防止剤」の「アスコルビン酸ナトリウム」、「pH調整剤」の「クエン酸ナトリウム」、「乳化剤」の「グリセリン脂肪酸エステル」、「酸味料」の「乳酸」などは、一般的な台所にはない。「グリシン」「香料」「着色料」「漂白剤」「りん酸」「増粘多糖類」「凝固剤」もない。

これらが添加物である。もし、このような名前が表示に並んでいれば、添加物で加工されているということ。加工度が高くなるほど添加物は多くなる。

「手間を取るか、添加物を取るかだ」と安部さんは消費者に判断を委ねる。「手間」を惜しむなら、市販の「添加物」入りドリンクを選ぶことになる。

添加物には5つのメリットがある

添加物を知り尽くしている安部さんは、添加物をすべて否定しているわけではない。メリットとリスクの両方があると言う。安部さんが考える「添加物との付き合い方の3原則」は次のとおりである。

① メリットとリスクを同時に考える。

② 二者択一の覚悟をする。

③ 優先順位は何かを考える。

① メリットとリスク

「添加物のメリットは、『安い』『簡単』『きれい』『便利』『おいしい』の5つ。このメリットは化学物質のおかげで享受できる。しかし、そのせいでさまざまな健康被害のリスクが発生する。これを同時に考えてないといけない」

② 二者択一の覚悟

「メリットとリスクを踏まえたうえで、添加物を選んだ以上はリスクの覚悟をする。メリットだけ享受してリスクは負いたくない、という選択は化学物質にはない」

③ 優先順位

「自分や家族にとって何がいちばん大事か考える。『安い』『簡単』『きれい』『便利』『おいしい』を優先させれば、多種多様の添加物を摂取することになる。安全性を優先させれば、自分で手間をかけて手作りすることになる」

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