「添加物入りドリンク」との付き合い方 「何も飲めないじゃないか!」と嘆く人々へ

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 清涼飲料水の生産量が2013年に初めて2000万キロリットルの大台を突破した(全国清涼飲料工業会調べ)。日本の全人口で単純に割ると、1人当たり年間約160リットルも飲んでいることになる。しかし、ドリンクの“おいしい”宣伝文句にあおられ、中身も知らずに飲んではいけない。この特集では「ヤバすぎるドリンクの裏側」を5日連続で紹介していく。5日目は「市販のドリンクとの賢い付き合い方」を考える。
1日目「『カロリーゼロ』、太って病気まっしぐら!」はこちら。
2日目「『野菜ジュース』の成分は“満足感”だけ!」はこちら。
3日目「『栄養ドリンク』『トクホ』に潜む重大問題」はこちら。
4日目「『ビタミン』『美容』ドリンクは、おカネの無駄?」はこちら。 
スーパーのドリンク売り場
 専門家たちの話を聞いたA男(50代)、B郞(40代)、C美(30代)、D恵(20代)、そしてE太(10歳)はドリンク売り場の前で混乱し、頭を抱えた。「いちいち添加物を気にしていたらキリがない。水でも飲んでろってこと?」。

ミネラルウォーターなら安全かと思いきや

添加物がないミネラルウォーターならば安全なのだろうか。水を含めて、市販のドリンクによる健康被害の状況を、独立行政法人国民生活センターに聞いた。全国各地の消費生活相談窓口に寄せられた消費者からの相談を、直近のものから紹介しよう。

①ミネラルウォーターをネット通販で購入。カビくさいと思いながら飲んでしまった。下痢をした。(50歳代・男性)
②ゼリー飲料を飲んだら、ヘンな味がして気分が悪くなり、嘔吐した。(50歳代・男性)
③大手飲料水メーカーのペットボトル入りミネラルウォーターを飲んだところ、苦い味がして、その後、お腹が痛くなった。(40歳代・女性)
④店で買った炭酸飲料を一口飲んだとたん、お腹を壊した。(70歳代・男性)
⑤コンビニエンスストアで購入して飲んだ栄養ドリンクの味がいつもと違い、腹の調子が悪くなった。(20歳代・男性)
⑥テレビ広告を見てドリンクを購入し、飲んだら肝機能の数値が高くなり、やめたら戻った。(女性・年齢不明)
⑦お茶飲料を飲んだところ、のどに痛みがあり、口もしびれた。(20歳代・女性)
⑧長年、豆乳を愛飲していた。最近、わきの下や手首など、皮膚のやわらかいところが、かぶれてかゆい。(60歳代・女性)
⑨通販で購入した豆乳を飲んでから、せきが止まらなくなったので、飲用を中止したところ、症状が出なくなった。(70歳代・女性)
⑩ホームセンターでビン入りの甘酒を買った。家族で飲もうとしたら、薬品臭がひどく、気分が悪くなった。(女性・年齢不明)

 (注)相談者からの申し出を相談員が記録した情報であり、現物を見て事実を確認した情報ではない。たとえば、下痢をしたのがドリンクのせいかどうかはわからない(国民生活センター)。

⑧⑨の豆乳に関する相談は、2013年12月に相次いで寄せられたため、国民生活センターは豆乳によるアレルギーについて専門家へのヒアリングを行い、市販の豆乳の表示を調査。花粉症(カバノキ科)の人が豆乳を飲むと口腔アレルギーを発症する可能性があると公表し、消費者に注意を促している。

▼「豆乳等によるアレルギーについて-花粉症(カバノキ科花粉症)の方はご注意を-」

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