2018年までにGDPを1.8%追加引き上げ G20会合終了後の共同声明全文

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6.我々は、世界経済の成長を支えるより強固でより強じんな金融システムを構築するために、2008年の金融危機の後に我々が行った中核的コミットメントの重要な面を達成した。今や銀行は、概して、資本をより充実させ、またより強固な流動性取極めが実施されている。ブリスベン・サミットに向け、資本に関する強化されたバーゼルⅢ規制の銀行への適用に際して、整合性を向上させる計画に関する作業が進行中である。我々は、大規模複雑で、相互に連関しているために、その破たんが経済及び金融セクターに大きな混乱を及ぼし、潜在的に納税者に深刻な損失を生じさせ得るような、グローバルな銀行及び保険会社を特定した。我々は、グローバルなシステム上重要な銀行に対しより厳格な資本の要件を定めてきた。我々は、こうした銀行が仮に破たんした際に納税者を一層保護する追加的な損失吸収力によって、大き過ぎて潰せない問題に対処するための提案の諸条件の明確化における、今日までに達成された大きな進展を歓迎する。我々は、FSBが、ブリスベン・サミットに間に合うよう提案を提出できる状況になるという、FSBの声明を歓迎する。この提案は、今後、市中協議及び定量的影響度調査が行われ、いかなる最終的な措置としての合意より前に、追加的な修正がなされる可能性がある。FSBは、ブリスベン・サミットまでに、そのシャドーバンクに係る枠組みの残っている中核的要素を達成し、この分野の潜在的なシステミックリスクに対処するための監視と行動を引き続き行うことを支持するために、2013 年に合意されたロードマップを更新する。店頭(OTC)デリバティブ市場に対する我々の改革は、システミックリスクを低減させ、透明性を向上させる。我々は、こうした OTCデリバティブ改革の実施における更なる具体的進展の達成を、規制当局に求める。我々は、各国・地域が、サンクト・ペテルブルク宣言に則り正当化される時には、相互の規制に委ねることを奨励する。

 

7.2014年より先、新たなリスクに引き続き注意を払う一方で、政策枠組みの残っている要素を最終化し、合意した金融規制改革を完全に実施することが重要である。我々は、2015年から開始する、FSBが改革の実施とその効果に関する包括的な年次報告書を準備するという計画を歓迎する。我々はまた、FSB及び国際的な基準設定主体が、それぞれ政策策定及び実施の検証プロセスを要約した情報を、2015年に公表するという計画を歓迎する。我々は、世界経済・金融システムにおいて新興市場国の役割が重要性を増していくことに対応し、また FSBの実効性を保ちつつ、FSBの作業が各国において最善の専門的知見ある当局により情報提供を受けることを確保するような、FSBの代表権構造の見直しが、ブリスベン・サミットまでに完了することを期待する。

 

8.我々は、成長志向の財政戦略や強靭な経済を税制が支えるため、国境を越える租税回避と脱税にグローバルな対応をすることに強くコミットしている。本日、我々は、2年間に亘るG20/OECD 税源浸食・利益移転(BEPS)行動計画の完了に向けて重要な進展が成されたことを歓迎するとともに、2015年中に全ての行動項目を取りまとめることにコミットする。我々は、国境を越える租税回避に対処し、またこれを抑止する我々の能力に変革をもたらす、相互主義に基づいた、税に関する情報の自動的な交換のための、最終決定された国際的な共通報告基準を承認する。我々は、所要の法制手続きの完了を条件として、2017年又は 2018年末までに、相互に及びその他の国との間で自動的情報交換を開始する。我々は、全ての金融センターに対して、ブリスベン・サミットにおいて報告すべく、ベルリンにて開催されるグローバルフォーラム会合までにこのコミットメントを行うことを求めるとともに、新たな国際基準のグローバルな実施を監視するための努力を支持する。我々は、国境を越える税務上のアレンジメントに関与している事業体及び個人に対する法令順守活動についての、我々の税務当局間の一層の協調と協働を支持する。我々は、実質的所有者に関するFATF基準を満たす模範を示すとのサンクトペテルブルグ・コミットメントを実行するための、G20各国におけるこれまでの進捗を歓迎し、更なる措置を奨励する。我々は、途上国がその税源を保全し、増大させることを支援するための実際的な措置を引き続き講じるとともに、自動的情報交換への参加を希望する国を支援するよう準備する。我々は、BEPSの課題へ対応するにあたり途上国の関与を深化させるとともに、その懸念が対処されることを確保している。

 

9.IMFクォータ・ガバナンス改革は G20にとって優先課題であり、我々は、強固で十分な資金基盤を有する IMF を維持することにコミットしている。我々は引き続き、米国に、2010年に合意された改革を本年末までに批准することを促し、サンクト・ペテルブルクにおける首脳合意と 2014年4月の我々の合意を再確認する。

 

10.我々は、エボラ熱の流行による人的コスト、影響を受けた国やより広い地域の成長及び安定に深刻な影響を及ぼす可能性を懸念し、協調した国際的対応の重要性を強調する。

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