千葉「QVCマリン」のシートは"残念"だった 12球団のホームグラウンドへ行ってみた<6>

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ゲーム終了後、球場の外へ出ると、各方面へのバスが次々とやってきては観戦客を乗せて次々と出て行く。ヤフオク同様、あれほど長かったバス待ちの列はあっという間に進み、列に並んでから10分かからず乗れてしまった。

海浜幕張駅では来たときとは反対側の北口に止まるので、南口のコインロッカーに荷物を預けてある人はお忘れなく。購入したシートの居住性は最悪だったが、座席の居住性には最高点を付けたい。もう一度行きたい気持ちを削ぐものがあるとすれば、それはやはり京葉線東京駅ホームの遠さだろう。

気になるのが、千葉ロッテの観客動員数の減少ぶりだ。2008年シーズンは160万人で12球団中6番目、パリーグ球団では3番目だったのに、2013年シーズンは前年比微増ながら、126万人で12球団中最下位である。下位低迷が続いた2011年、2012年の2年で減った動員数を、久々に3位に返り咲いた昨年に取り返し切れず、他のチームが伸びたことで相対的に最下位になった、ということか。

なぜかホームでは元気がない応援団

ビジターでのロッテ応援団は、いつでも、どこでも、とてつもない存在感を見せつけていく。甲子園ではロッテ戦のビジター応援席の面積は巨人戦と同じだ。

ところが、ホームのこの球場の外野応援席はなんだかスカスカ。全然迫力がない。千葉ロッテファンは阪神に次いで熱狂的だと思っていたので、チームが弱いときも動員数は減らないのかと思っていたら、弱くても変わらないのはビジターの応援団だけ、というのはちょっと意外だ。

2013年シーズンの主催試合の1試合あたり平均動員数は1万7506人だが、ロードだと2万3190人。肌感覚と数字は一致する。この原因はいずれ解明してみたいと思う。

伊藤 歩 金融ジャーナリスト

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いとう・あゆみ / Ayumi Ito

1962年神奈川県生まれ。ノンバンク、外資系銀行、信用調査機関を経て独立。主要執筆分野は法律と会計だが、球団経営、興行の視点からプロ野球の記事も執筆。著書は『ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる』(星海社新書)、『TOB阻止完全対策マニュアル』(ZAITEN Books)、『優良中古マンション 不都合な真実』(東洋経済新報社)『最新 弁護士業界大研究』(産学社)など。

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