「ギリシャは2年内にデフォルト」の見方は悲観的すぎる−S&Pデビッド・ビアーズ氏に聞く

「ギリシャは2年内にデフォルト」の見方は悲観的すぎる−S&Pデビッド・ビアーズ氏に聞く

欧州でくすぶるソブリンリスク。市場関係者はギリシャなど南欧諸国の財政再建の行方を引き続き注視する。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)で国債格付けチームを統括するデビッド・ビアーズ氏(=写真=)にギリシャ問題の見通しなどを聞いた。

−−7月の欧州各国の金融機関を対象としたストレステストの結果をどのように見ていますか?

今回の結果はあくまでも過程にすぎません。資本不足は35億ユーロと思ったよりも少ない金額でしたが、これで終わりというわけではなく今後、新たに資本を積み増すような動きも出てくるでしょう。各国の規制当局によってコーディネートされた初めてものであり、そうした意味ではポジティブな取り組みともいえます。

情報開示のレベルをさらに引き上げれば、問題が顕在化してくるでしょう。実際、欧州のある大手銀行が欧州全体のソブリン債のエクスポージャー(組み入れの状況)について、今回のテストの結果よりも詳細な情報開示を行う用意があると一部で報じられました。そうなれば、より細かな検証が可能になります。

−−英米のメディアやアナリストを中心に、国家破綻を想定していないのはおかしいとの見方がありますね。

それは正しい指摘です。トレーディング勘定のみを対象にしたのでは、(実態の把握に)限界があります。もっとも、今後は各行がより詳細な内容を開示するでしょう。

−−金融市場ではギリシャの先行きを依然として悲観する声が少なくありません。

マーケットとわれわれは異なった見方をしています。同国の長期国債の格付けは現在、「投機的水準」の「ダブルBプラス」。仮に債務不履行(デフォルト)に追い込まれたとき、どの程度の債権回収が可能かを示す「回収率確率」は「4」。回収率は全体の30~50%と、平均よりも確率がやや低いことを意味しています。

それでも、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率や、対ドイツ国債スプレッドなどの推移を見ると、現在はむしろマーケットのほうが過度に悲観へと振れてしまった感があります。マーケットは向こう2年のうちに、ギリシャがデフォルトに至る可能性を織り込んでいます。

しかし、われわれの見方はそうではありません。ギリシャが厳しい財政緊縮策をとり続ける限り、政府債務などをファイナンスするのに十分な金融支援を他のユーロ圏諸国から見込めるでしょう。ギリシャ自身にもデフォルトを起こさない方策を採るという強いインセンティブが働いています。

これまでは格下げに踏み切ると、「過度に反応しているのではないか」などと各国政府・金融当局に批判されました。今は逆にマーケットのほうが厳しく受け止めているのです。

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