SKE48とココイチが狙う「華麗な販促」の勝算 販促効果は、通常の広告のなんと12倍!

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しかも、徳永課長が驚くのは、地元の愛知県や名古屋市だけでなく、全国への浸透ぶりだ。いわずもがなだが、SKE48の「SKE」は名古屋市の中心部の栄(SAKAE)からの命名だ。多少はローカル的な人気になるかもと思いきや、「SKEの全国、まんべんのない波及力に驚いた」(同)。FCを中心に全国47都道府県に展開(1230店、2014年8月末)するココイチとすれば、これはうれしい誤算だった。

CDやDVDもいいけど、カレーもね!

キャンペーンのポスターも「3チーム対決」の構図を示す(写真提供:壱番屋)

では、キャンペーンはどんなものなのか。まずは昨年のキャンペーン「推しトッピン具対決!!」(2013年10月16日~同11月30日)で振りかえってみよう。

まずSKE48(公式サイトによれば69人)の中から選抜された18人のメンバーが、カレーのうえにかけるトッピング食材の種類によって、3チーム(「シーフード」「ベジタブル」「ミート」)に分かれる。

そのうえで、例えば松井玲奈はツナチーズ(シーフード)、松井珠理奈はコーン(ベジタブル)、高柳明音はチキン(ミート)といった具合に、各メンバーが1種類、推奨するトッピングのメニューを決める。

来店する顧客は、自分の気に入ったメンバーやチームのトッピングを注文。あとは注文レシートを添付した専用封筒で応募、さまざまな景品(公演チケット、メンバーと一緒に壱番屋本社でカレーを食べるイベントへの参加権など)を狙うという、いたってシンプルなものだ。「勝敗」は、注文総数が多かったチームを優勝(個人順位は競わない)とした。昨年のキャンペーンでは、松井玲奈率いる「チームシーフード」が優勝。同チームの6人は2014年元旦にココイチ全店舗に掲示された「新年ご挨拶ポスター」に出演を果たした。

応募件数も同社にとっては、破格だった。経営企画室長の浅井佳会氏は「昨年のSKEキャンペーンでの応募総数13万7359通は当社の過去のキャンペーンの中でも断トツだった」と反響の大きさに唸る。

次ページ「SKE愛」と「ココイチ愛」に支えられ・・
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