「論語」チコちゃんと一緒に学ぶ人生の大事な本質 日々のコミュニケーション、人間関係で守ること

拡大
縮小

過ちては則ち改むるに憚ること勿れ

まちがえたり失敗したりするのは、悪いことじゃない。たとえば、クラスで自信満々に発表した答えがまちがいだったとする。がっかりだけれど、そう落ち込む必要はない。正しい答えを覚え直せばいいだけだ。それで、君は一歩前進する。

友だちと言い合いをして、あとから「言いすぎちゃったな」と後悔したとする。「あんなひどいこと、言わなきゃよかった」と。そんな時に大切なのは、自分の態度はよくなかったと認めて、それを友だちに伝えることだ。「ごめん、言いすぎたね」って。

まちがいや失敗が悪いのではない。悪いのは、それに気づいても直さずにいることなんだよ。

怒りを遷さず、過ちを弍びせず

『チコちゃんと学ぶ チコっと論語』(河出書房新社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

頭にきてドアをバタン! かべをキック! そして、近くにいる人には八つ当たり。乱暴な口をきいたり、むっつりだまりこんだり。

腹を立てるたびにこんなふうになる人とは、友だちになりたくないよね。ふきげんな気持ちは、そばにいる人の気持ちも暗くしてしまうからだ。

誰にだって怒りたいことはある。でも、自分がふゆかいだからといって、その気持ちをそのまま外に出すのは、泣くことでしか思いを伝えられない赤ちゃんと同じだ。
 物や人に当たり散らすのではなく、自分が感じている気持ちを上手に表せるようになることも、人として成長していくうえで大切なんだ。

山口 謠司 大東文化大学文学部教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまぐち ようじ / Yoji Yamaguchi

1963年、長崎県佐世保市に生まれる。
大東文化大学文学部中国文学科教授。中国山東大学客員教授。博士(中国学)。大東文化大学文学部卒業後、同大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。
著書にはベストセラー『心とカラダを整える おとなのための1分音読』(自由国民社)、『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT