作田会長が描くルネサス浮上への戦略とは?

粗利率重視で事業構成を変えていく

オムロン会長から転じ、ルネサスの構造改革に取り組む作田久男会長(撮影:梅谷秀司)
経営再建中のルネサスエレクトロニクスに、オムロン会長だった作田久男氏が会長兼CEOとして就任したのが昨年6月。就任から1年3カ月が過ぎ、ルネサスの構造改革は加速度的に進んでいる。2016年度末にかけて生産拠点の縮小を進めており、それに伴う生産終了製品の絞り込みや価格交渉などを進めている最中だ。
さらには週刊東洋経済2014年9月6日号で報じたとおり、基本給の一律カットや新たな評価制度の導入によって給与格差を付けるなどの制度改革も行われている。一連の取り組みを主導する作田会長に、ルネサスをどう動かそうとしているのか、聞いた。(末尾に鶴丸哲哉社長のコメントも)

――ルネサスは10月から組合員を対象に基本給の7.5%カットを予定しているが、その狙いとは。

その内容について会社側は公表していないが、100%間違っている情報でもない(編集部注:住宅や家族手当などの廃止・減額分を含めると削減率には個人差が出る)。基本的な考え方は、業績に大きく連動するボーナスの変動幅を増やしていくということ。給与を減らすと強調されてしまうと半分はイエスだが、別に減らすことが目的ではない。業績が上がればボーナスは増やしていく。

海外メーカーに比べて固定費の比率が高すぎる

――固定費を100億円削減することが、基本給削減の目的なのでは。

それはとらえ方の違いだ。100億円を減らすことが目的なのではなく、もっと費用を変動させられるようにしたい。ルネサスの競争相手は海外メーカーだが、それらと比較すると固定費の比率が高すぎる。社員からみたら、会社の業績が悪くなったら賞与も減るため、変動部分を大きくすることには不安を覚えるだろう。評価制度を導入したことで、給与の個人差が大きくなることに対する懸念もある。よほどの自信家でない限り、収入が減る心配を多くの社員が抱えている。

こうした不安に対し、私はとにかく実績で応えるしかないと思っている。昨年6月の賞与はゼロだったが、私の就任以来、昨年12月と今年6月は賞与を出し、今年12月も出す予定だ。現在の業績は決して悪くないと思っているので、こういう時はボーナスが出るということを社員に示すしかない。業績が上がると賞与も増えると体感してもらわない限り、理解はえられないかもしれない。

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