テロ撲滅か機密保持か、SWIFT開示の波紋

情報ネットワークの機密保持か、それともテロ資金撲滅か--。

長年にわたって、一見、次元の異なる二つの問題をめぐる議論がEU(欧州連合)で行われてきた。それは世界的な金融情報ネットワーク上を行き交う情報を、国際的なテロ集団の資金を追跡するために米国当局に提供するかどうか、だ。ほぼ6年余りの歳月を費やし、ようやくこの難題に決着がついた。

米国と日本を除く各国の中央銀行も加盟

7月8日、欧州議会は本会議において、「SWIFT」の送信データを一定の条件の下で米国当局に提供することを決定した。もちろん米国政府の要請を受けての決定である。

SWIFTとはSociety for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略称で、国際的な金融情報ネットワークだ。本拠地はベルギーに置かれている。

一般的な知名度は高くないが、SWIFTは国際金融分野で絶大な存在感を誇る情報インフラである。「今やSWIFTなしでは国際金融は成立しない」(大手邦銀)といっても過言でない。

その規模を数字で説明するならば、加盟国は2008年末で209カ国。SWIFTの解説書である『SWIFTのすべて』(小社刊)の中で著者の中島真志・麗澤大学教授は、「国連の加盟国をも上回る数」と指摘している。ユーザー数は銀行、証券会社など、08年末には8830社まで拡大したという。


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