地デジ完全移行の正念場、1100万世帯が未対応

地デジ完全移行の正念場、1100万世帯が未対応

地上デジタル放送の完全移行まで1年を切った。ちょうど1年前にあたる7月24日には、原口一博総務相や放送局トップなど関係者約700人が参加し、都内のホテルで決起集会を開催。草�剛さんら著名タレントを集めて銀座の目抜き通りをパレードするなど、大々的に“宣伝活動”を行った。

同じ頃、石川県珠洲市と能登町の一部では全国に先駆けてアナログ放送を終了。当日、総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)珠洲に寄せられた相談は、チューナーの接続ミスなど6件。移行を主導した総務省は「大きなトラブルはなく、無事に移行できた」(地上放送課)と話す。

ただし、先行移行には総務省の並々ならぬ支援があった。昨年から2度にわたってアナログ放送停波のリハーサルを実施したほか、地元の電器店に協力を仰ぎ、全世帯の3割強にあたる3000世帯を直接訪問して実態を調査。希望者には簡易チューナーを1世帯当たり最大4台まで無料配布・設置している。

低い低所得者普及率

が、全国規模でこれほどの手厚い支援を実施するのは難しい。総務省の推計によると現況、受信に必要なアンテナの付け替えの遅れなどで移行対応できていない世帯は約1100万に上る。7月23日にはこうした事態を受け、コールセンターの人員増加や臨時相談コーナーの設置など追加施策を打ち出したが、足元には複数の課題が浮上している。

最も懸念されるのが、ビルやマンションに受信障害対策で設置されている「共聴施設」の対応の遅れだ。

放送波の受信にはアンテナが必要だが、高層ビルなどが障害(ビル陰)となって、電波が届かない難視聴の地域がある。障害を解消するために建物のオーナーが設置している共聴施設は全国に約6万2700。そのうち、デジタル化対応済みの施設は5割弱にすぎない。特に高層ビルが集中する関東、東海、近畿の遅れが目立つ。オーナーや難視聴世帯など「当事者」が多く、費用負担を含めた協議に手間がかかるからだ。

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