人気再燃、プロ野球観戦は最高のエンタメだ 12球団のホームグラウンドへ行ってみた<0>

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「日本人のプロ野球離れが進んでいる」「日本人はプロ野球を見なくなった」--。10年前の1リーグ化騒動以降、まことしやかに語られるようになったこの説、実は球場の観客動員数の推移とは大きく矛盾している。「Jリーグの方が人気がある」という通説も、事実とは違う。

昨年2013年シーズンのセ・パ両リーグの公式戦の観客動員数は合計2204万人。Jリーグ(J1、J2合計)のほぼ2.4倍だ。さらにここにクライマックスシリーズの42万人と、日本シリーズの23万人が加わると2271万人になる。

丼勘定だった観客動員数の正確な計測が始まったのは2005年シーズンから。この年824万人だったパリーグの観客動員数は、8年後の2013年シーズンには19%増の984万人に達した。

広島、横浜の観客動員が大幅増

一方2005年に1167万人だったセリーグの2013年動員数は4.5%増の1220万人。大きく伸びたのは広島(49%増)、横浜(46%増)、ヤクルト(9%増)。広島は2009年に新球場がオープンした効果が大きい。キャパは旧広島市民球場時代の3万1984人から3%しか増やさない3万3000人だったから、新球場自体の魅力が大幅な集客増につながったということだろう。残念ながら2010年以降は毎年少しずつ動員数は減っているが、2005年比では申し分ない成長だ。

逆に2005年比で動員数を減らしたのは阪神(11%減)と中日(12%減)。ちなみにこの間5回のリーグ制覇を果たし、2回日本一になっている巨人はわずか2%増である。

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