「ペール缶」で膨らむ新需要、意外な用途でじわりと浸透

日本が快進撃を見せたサッカー・ワールドカップ。その期間中、1万人が懸賞で手に入れたのが、キリンビールの「ユニCAN」だ。キリン商品を詰めたペール缶には代表選手をデザイン。観戦用のいすにもなり大人気となった。

ペール缶は直径30センチメートル、高さ36センチメートルの20リットルが基本サイズで、取っ手のついた容器。市場の半分は自動車に使う潤滑油用途で、業界首位のジャパンペール社も年商60億円強のうち半分を占める。しかし電気自動車の時代になれば、いずれ先細りしてしまうため、防災缶やファンシー缶など新規開拓に力を注いでいる。

防災缶ではペール缶の中に防災グッズを収納している。東京建物では住戸への実装も進めており、中には懐中電灯、簡易トイレセットや手袋などが入っている。

一方、ファンシー缶は歴史が長い。中でも阪神タイガース缶はロングセラー商品。「1985年の優勝当時、社内に阪神グループ出身者がいたことから契約が生まれ、自社で販売したところ、6万缶以上も売れた」(山口勉・ジャパンペール東京営業所長)。

この8月には、人気アニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の「ネルフ・ペール缶」も登場。ペール缶は限定品が多く、運動具入れやおもちゃ箱など用途も多彩。レアアイテムとしての新需要も期待できそうだ。

(山内哲夫 =週刊東洋経済2010年7月31日号)

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