なぜあの人の仕事は「空回り」するのか? 「やる気はあるのに成果が出ない人」の3パターン

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当たり前ですが、仕事はチームでするもので、自分ひとりだけがやる気満々でも、かかわるメンバーがそれぞれの仕事を確実に行ってくれないと、成果にはつながりません。特に「自分ひとりだけが頑張っている」と怒りにすら似た感情を覚えるような場合は、状況は深刻です。

まずはいったん立ち止まって、周囲を観察してみるとよいでしょう。そしてそれぞれのメンバーがどんな思いで仕事をしているのか、何に関心を持っているのかといったことに注意を向けましょう。その際に重要なのは、自分と他人は同じではないという自覚を持っておくことです。少し引いて自分とメンバーを客観視することで、どこがかみ合っていないのか見えてくるはずです。それでもなお、何も見えない、という場合は、上司に「自分たちがどう見えているか?」を素直に聞いてみてはいかがでしょうか。

仕事の成功確率を確実に上げる方法

以上、3つのパターンについて見てきましたが、仕事の成果は打ち手の適切さと実行の掛け算で決まります。今の時代、変化が激しくやってみないとわからない、ということも非常に多いです。

スピーディに実行するということが求められる時代とも言えますが、考えるべき点をひととおり考えた上で的確である確率が高いと思われる打ち手を実行するのと、たまたま思いついた打ち手を順番に実行していくのとでは、圧倒的に成功する確率に差がつきます。

まずは丁寧に考えながら、そして実行段階では適切な人を巻き込み、正しく根回しをしながら、関係者に最大の関心を持って仕事にあたることを地道に癖づけていくことが、つねに成果を出せるビジネスパーソンへの道だと思います。

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村尾 佳子 グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長

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むらお けいこ / Keiko Murai

大手旅行会社、総合人材サービス会社を経て、現在、グロービス経営大学院経営研究科副研究科長。事業戦略、マーケティング戦略立案全般、そして大阪校、名古屋校のマネジメントに携わるかたわら、マーケティングや「志」領域の教鞭を執る。また社外取締役や理事として関与しながら、ベンチャー企業やNPOの育成にも携わる。
関西学院大学社会学部卒業、大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。共著に『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』(東洋経済新報社)、『志を育てる』(東洋経済新報社)、『東北発10人の新リーダー』(河北新報出版センター)。

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