「YouTube学習=ほぼ時間の無駄」の決定的理由 日本人の「見て、やった気になる病」の罪深さ

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日々コーチングに従事するなかで、つくづく実感するのが、「日本人のプレゼンスキルの未熟さ」です。

「ジェスチャー」「目線」「表情」といった話し方(デリバリー)も、「スライド」「話す内容」などのコンテンツも、基本スキルを学ぶ場がほとんどないため、ほとんどの人が自己流でやり過ごすしかありません。

結果的に、「政見放送」並みの「心を動かさない動画コンテンツ」が量産されているように思えてなりません。

スライドや話す内容を一言一句添削し、「話し方のイロハ」を学べば2~3時間ほどで、見違えるように変わるのですが、そういった教育の機会は著しく限られています。

下手くそなプレゼン視聴を強要される人たちが、それをデフォルトとして、同様の話し方を踏襲していくという「負の連鎖」が続いていくわけで、「時間泥棒コンテンツ」が倍々ゲームで増えていくというわけです。

「Learning Pyramid(ラーニングピラミッド)」の正体

そもそも、「動画を見るだけ」「人の話を聞くだけ」は学びが少ないとされています。教育関係者などの間でよく知られる「Learning Pyramid(ラーニングピラミッド)」によれば、、7つの学習法それぞれの「学びの定着率」は以下の通りだとされています。

1.講義 5%
2.読書 10%
3.(動画やテレビラジオ番組などの)視聴覚 20%
4.デモンストレーション(実演) 30%
5.グループ討論 50%
6.自ら体験する 75%
7.ほかの人に教える 90%

つまり、「ただ講義を聞いただけ」や「本を読んだだけ」では、学びの多くは定着しないということになります。

そこで、1~3の「受動的な学び」は効果が低いので、4~7の「能動的で自発的な学び」を増やそうと、最近は、「アクティブ・ラーニング」と言われる「参加型学び」を奨励する動きが強まっています。

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