年収1600万円の再婚カップルが意気投合した事情 「自立心が強い人」ならではの価値観がある

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現代のエリート男性の中には哲也さんのようなタイプが少数ながら存在する。好奇心や向上心が強く、合理的な頭脳もあるため、精神的にも経済的にも余裕があるほうが女性は美しく優しくなれることを知っているのだ。もちろん、束縛などはせず、外の世界と自由に触れることでパートナーがさらに賢くキレイになることを望んでいる。

「結婚することが幸せだとは思っていませんが、私は彼と結婚してよかったです。私の話を楽しそうに聞いてくれるのがうれしいし、否定はしないけれど客観的な意見もくれます。仕事上の相談もしてくれるので信頼されているのでしょう。何かを決めるときは必ず私の意見も聞いてくれるし、私の親のことも気遣ってくれる人です」

異なる角度からの情報や意見を楽しんでくれる

働く女性にとって最高の結婚相手のようだが、そう単純なものではないと筆者は思う。このタイプは相手にも同じレベルを求めることがあるからだ。しかも、自分とまったく同じでは意味がなく、異なる角度から情報や意見を提供してほしいと無意識のうちに思っている。その証拠に、哲也さんは奈月さんの好きなところは「自分では選ばないような店や場所を選ぶところ」だと明言しているという。

「ディズニーランドなど、男性だけでは行かないような場所に誘うと喜びます。前の夫は『なんでそんなところに行きたいの?』と怒ってしまうような人でした」

違いを楽しんでくれること。それが哲也さんを恋人だけではなく再婚相手として選んだ理由の1つだと奈月さんは語る。自立心が強い人でなければ言えないセリフだと思う。相違点を強調する2人だが、結局は似たもの夫婦なのだ。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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