2017年には中国でも風力発電が原発を上回る--アースポリシー研究所所長 レスター・ブラウン

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--再生可能エネルギー新設よりも、原子力発電の増設のほうが産業界では期待が大きいようです。

原子力発電は非常にコスト高。17年には中国も風力発電が原子力発電を追い越すと予想している。

自分が考えるときに、よく目安にするのはウォールストリートが何に投資しているかということ。この30年間、原発には投資していないという事実がある。完全な自由市場の下では原発は建設されない。電力のモノポリー(独占)があるところだけにしか、建てられないのだ。

この数年のうちに原発による発電量は減っていく。フランスだと、今の供給の80%が原発によるものだが、現在建設中のものはたった1カ所。それに引き換え風力発電所は、今後10年で2000メガワット分を計画している。日本は1万カ所の温泉があるので、地熱が有力だろう。日本の技術力があれば十分可能だ。

(鈴木雅幸・週刊東洋経済編集長 =週刊東洋経済2010年7月31日号)

LesterR.Brown
1934年米ニュージャージー州生まれ。ラトガーズ大学、ハーバード大学で農学と行政学を修める。米農務省で国際農業開発局長を務め、74年にワールドウォッチ研究所を創設、84年には『地球白書』を創刊した。2001年5月アースポリシー研究所を創設、『エコ・エコノミー』『フード・セキュリティー』『プランB4.0』など著作多数。06年5月に、一橋大学から名誉博士号を授与。

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