安倍・谷垣ラインが直面する消費税判断

政権の命運左右も

 9月3日、安倍晋三首相が谷垣禎一氏(写真)を自民党幹事長に起用したことで、市場は消費再増税の推進力が高まったと受け止めた。首相官邸で3日撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 3日 ロイター] - 安倍晋三首相が谷垣禎一氏を自民党幹事長に起用したことで、市場は消費再増税の推進力が高まったと受け止めた。だが、足元の景気は政府の想定を下回っているとの見方もあり、再増税先送りの声が根強いのも事実。

安倍首相─谷垣幹事長の新たなラインが、どちらにカジを切っていくのか。その判断の行方は、アベノミクスの動向だけでなく、政権の命運にも大きな影響を与えそうだ。

谷垣氏「法律通りが基本」、首相は目配り指示

谷垣幹事長は就任後の会見で10%への消費増税について、法律に沿って来年10月から実施することが基本との認識を示し「消費税が財政の安定にも寄与し、税収も図り、政策の選択肢を広げることに役立つ」と前向きの姿勢を示した。

一方で、景気情勢にも注意が必要だとし、7─9月の景気動向を注視していく姿勢を強調。安倍首相から景気情勢に目配りして党内議論を進めて欲しいとの指示があったことを明らかにし、拙速な結論は避ける考えも示唆した。

消費税率10%への道筋をつけた自民・公明・民主の3党合意に直接かかわった谷垣氏の幹事長就任は、政権周辺に広がる引き上げ慎重論に一石を投じ、議論が一方向に傾斜するのを揺り戻す狙いもあったとみられる。

市場からは、谷垣幹事長になったことで「消費再増税の推進力が高まったと判断した」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・債券ストラテジストの稲留克俊氏)との見方が出ている。

政治アナリストの伊藤惇夫氏は、消費増税を先送りすれば「安倍政権が最も大事にしている株価にかなり大きなダメージを与える」とし、積極推進派の谷垣氏を幹事長に据えた狙いのひとつは「党内の引き上げ反対派を抑え込み、党と内閣の意志を統一させて(再増税に)踏み切る布石」と分析した。

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