マイクロソフト社長突然の退任劇の裏

ITニッポンの没落の象徴

「突然このようなお知らせをしなくてはならないことを、大変申し訳なく思います。私は、6月30日をもってマイクロソフト株式会社の代表取締役社長を退任します」--。

6月6日金曜日午後、マイクロソフト日本法人の阿多親市社長は、自らの退任を告げる電子メールを全社員に発信した。社長に就任して丸三年。官公庁への売り込みや伸び悩むサーバー販売の強化など営業テコ入れ策を次々と打ち出した矢先だっただけに、社員たちはその唐突さに驚いた。

かつてビル・ゲイツ会長は日本を「特別な国」と考えていた。70年代末、日本での初期のパートナーだった西和彦氏は、ゲイツ氏を引き連れてNECなど大企業を巡り、トップ会談で大きな受注をまとめた。当時IBMからはトップに会うことさえ認められなかったゲイツ氏は、日本企業の柔軟性と意思決定の早さに敬意さえ抱いたという。初期のマイクロソフトを支えた日本市場での成功は「現地法人の経営は現地に任せる」という社の伝統にもつながった。

ところが、阿多氏が後ろ盾にしようとした「特別な国」の巨大市場とIT企業群は、思惑とは逆に、90年代中盤をピークに衰退していく。

現地に任せたほうがビジネスがうまく回る「特別な国」という幻想は消え去り、日本は米本社からコントロールできる、ありふれた海外市場の一つにすぎなくなったのである。

(詳細は『週刊東洋経済』6月21日号参照)

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