まだまだ、あこぎな業者がいる葬儀業界、遺族が落ち着く時間を作りたい--日本初・遺体用ホテルを開業したニチリョク・寺村久義社長に聞く

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 さらに、その預かり施設というのにきれいなところがないんですよ。遺族の方が故人に面会に行かれても、いろんなにおいがしみ付いて、暗~い場所で面会せざるをえない。それを何とか解決できないかなぁ、きれいな預かり施設はできないかなぁと考えたのが、いちばんの動機です。

■これまでに例のない施設ですから、試行錯誤でやるしかありません

しかも、従来の施設は午後10時で職員の勤務が終わります。だから面会も午後10時まで。これはだいたいどこでもそう。だから完全個室の霊安室を作り、24時間いつでも面会できる施設があれば、潜在的な不満に応えられるのではないかと、1年ほど前から考えてはいました。
 
 それが今回、横浜市西区の久保山に斎場跡の物件が見つかったので、もともとあった斎場を大幅に改装し、構想でしかなかったものを具体化した訳です。

--長い経験の中で、こういう施設が必要だと感じたわけですか?

私は必要があると感じたんですが、自社で行う葬儀の分だけ預かればいいと思っている普通の葬儀屋さんは感じないかもしれませんねぇ。

当社としては宿泊料金1泊1万2600円と寝台車の送迎費用(霊柩車費用)、湯灌、棺代など締めて約20万円のお預かり代金を頂戴しますので、お預かり業としての事業もできるのではないかと考えてはいます。

ただ、葬儀会社は通常、自前で一定数の霊安床は持っているので、よその葬儀屋がわざわざラステルにご遺体を預かってくれと搬送してくることがどれくらいあるか。まぁとにかく、これまでに例のない施設ですから、試行錯誤でやっていくしかないと思っています。

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