JR特急料金、割引なしでも「45%安く」できる方法 各社で違う料金区分の仕組みを活用してお得に

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例えば乗車する距離が75kmの場合、通常なら100kmまでの特急料金1150円となるが、50km(630円)+25km(320円)の2分割にすれば950円で、200円安くなる。

この方法でとくに安くなるのはグリーン車だ。200kmまでの料金は2800円なのに対し、100kmまでは1300円と半額以下なので、分割購入によって特急料金とグリーン料金がダブルでお得だ。

ただ、このJR北海道独自の特急料金は150kmまでが対象で、それ以上は通常のJR共通A特急料金が適用される。150km以上の場合は安くなってもごく一部で100円安くなるかどうかというレベルのため、主に51~125kmまでの短距離利用の時に使える手である。その代表例をご紹介する。

■特急「北斗」「スーパー北斗」函館―長万部間(112.3km)
【通しの場合】自由席1830円、グリーン車4630円

【分割した場合】自由席
・函館―新函館北斗間17.9km:320円
・新函館北斗―長万部間94.4km:1150円
合計1470円(360円・20%お得)
【分割した場合】グリーン車
・函館―新函館北斗間:指定席特急料金850円+グリーン料金1300円-530円=1620円
・新函館北斗―長万部間:指定席特急料金1680円+グリーン料金1300円-530円=2450円
合計4070円(560円・12%お得)
(※グリーン車の場合は座席の指定を受けるが、指定席料金530円は免除される)

函館―長万部間でこの方法を実践する場合、新幹線からの乗り継ぎ客で席が埋まっていることもありうるので、新函館北斗―長万部間の座席を先に購入するのをおすすめする。もっとも、筆者なら函館―新函館北斗間は「はこだてライナー」を使い、新函館北斗―長万部間だけ特急券・グリーン券を購入して2450円で済ませるだろう。全区間通しで乗る場合の指定席特急料金+90円と乗り換え待ちの手間だけでグリーン車に乗れるのだから。

■函館本線・札幌―深川間(106.6km)の各特急列車
【通しの場合】自由席1830円、グリーン車4630円

【分割した場合】自由席
・札幌―滝川間83.5km:1150円
・滝川―深川間23.1km:320円
合計1470円(360円・20%お得)
【分割した場合】グリーン車
・札幌―滝川間:指定席特急料金1680円+グリーン料金1300円-530円=2450円
・滝川―深川間:指定席特急料金850円+グリーン料金1300円-530円=1620円
合計4070円(560円・12%お得)
(※グリーン車の場合は座席の指定を受けるが、指定席料金530円は免除される)

JR東海も独自の特急料金区分が

JR東海にも30kmまでの独自の特急料金区分がある。また、50kmまでの料金が通常より安いケースもある。これは身延線全線、飯田線(豊橋―飯田間)、中央線(多治見―塩尻間)、関西本線・紀勢本線(名古屋―新宮間)、高山本線(岐阜―猪谷間)で適用される。

これは区間分割購入に有効な料金設定だ。うまく組み合わせれば60kmまで、80kmまで、90kmまで、110kmまで、130kmまで、140kmまで、160kmまでという料金区分を作ることができる!

次ページうまく使うと45%安くなるケースが
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