日銀は「独立性」を勘違いするな、政府が金融政策の目標設定に介入するためにも日銀法改正を進めるべし

拡大
縮小


 また、日銀の白川方明総裁(写真)ですら、「どの国の中央銀行も法律で金融政策の目的は規定されており、『目的の独立性』を有している中央銀行は存在しない」と述べているほどだ。法改正ということであれば国会議員の出番で、目標の設定権だけではなく任命権者の首相に総裁の解任権を持たせることまで規定する必要がある。

ただ、民主党政権もインフレ目標の設定に関して取り組みを怠っているわけではない。例えば、去年の11月に菅直人首相(当時国家戦略担当相)は早々と「デフレ宣言」をして日銀の積極的な取り組みを促した。

6月に閣議決定した新成長戦略にも、「2020年度までに平均成長率で名目3%、実質2%」と明示した。言うまでもなく1%のインフレ目標を意味している。参院選のマニフェストにも、「政府と日銀が協力して早期にデフレを克服」と掲げた。

すぐに法改正が難しいということであれば、日銀の政策委員を国会に呼んで経済や雇用の目標について質疑して議事録を残すということでも大きな前進だろう。とにかく、デフレ脱却へ待ったなしという状況であることだけは、政府と認識を共有してほしい。

(撮影:吉野純治)

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT