『トイ・ストーリー3』--忘れがちな“無常”の概念、時間の大切さを実感して生きる《宿輪純一のシネマ経済学》


 第1作目の『トイ・ストーリー』が1995年(日本では96年)公開なので、15年前のこととなる。月日が経つのは早いものである。

映画の中でも、設定は第1作目から10年後とされている。おもちゃの持ち主アンディはすでに17歳になり、大学に進学する。アンディは大学の寮に入るため引越しをするが、カウボーイのウッディだけを選んで持っていった。他の人形も捨てたわけではなく、箱に入れて屋根裏にしまうこととした。

しかし、お約束であるが“手違い”で捨てられてしまう。なんとか脱出したおもちゃたちだが、アンディに捨てられたと勘違いし、地元の託児施設へ寄付されるおもちゃの箱にもぐりこむ。託児施設のおもちゃたちに大歓迎を受けたバズたちは、そこにとどまることを決意し、ついてきたウッディの忠告は聞き入れない。

だが、展開はそんなに甘くない。新入りのバズたちが送り込まれたのは、おもちゃを手荒く扱う子供たちの部屋であった。そこは、抵抗できないおもちゃが拷問され破壊される部屋となっていたのである。それを知ったウッディは、仲間を救うために必死に帰ってきたが……。

『トイ・ストーリー』シリーズは、現在の日本の世の中で失われつつある「ひたむきさ」が心を打つ。さらに本作品の追加的なテーマは、平家物語ではないが「無常」ではないだろうか。

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