香港に代わる金融ハブに東京が10年内になる根拠 2030年までに移る可能性、米中覇権戦争で漁夫の利

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実は大阪証券取引所ビルも平和不動産が所有している物件であり、2013年7月に東京証券取引所と大阪証券取引所が統合された。2012年に新冷戦が始まると同時に安倍政権が誕生し、そこから株価が上がり始め、2013年9月に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定している。

2016年11月に国際金融都市・東京の実現に向けて懇談会が発足。翌年11月に同構想が策定され、2019年10月に日本取引所グループ(JPX)と東京商品取引所(TOCOM)が経営統合されて日本初の総合取引所が誕生した。

図表でわかるとおり、国際金融都市・東京のあり方懇談会が2016年11月に発足して以降、平和不動産の株価が上昇し続けている。これは香港の国際金融センターが日本に移ってくる前兆というより、すでに決まっていたことではないか。

ある程度、近未来を予測することは可能

もちろん、未来のことであるから断定はできない。しかし、いつの世も時代の趨勢があって、つぶさに過去から現在の流れを観察すれば、ある程度、近未来を予測することは可能だ。また、こうした考え方は別にオカルトチックでも非科学的なわけでもなく、いわば“統計学的な見知”あるいは“確率論の世界”といえる。余談だが、私がポーカーゲームに引かれる理由もこの辺にある。

そして、2021年2月に始まったNHKの大河ドラマ『青天を衝け』の主人公は、周知のとおり「日本資本主義の父」と呼ばれている渋沢栄一であり、彼が最初に創った第一国立銀行(現みずほ銀行の兜町支店)が、東京証券取引所のすぐ近くにあること、2024年に渋沢栄一が新1万円札の顔になることも象徴的だ。

2025年に野村証券本店の建て替えと同地区の整備が完了し、翌年4月に入居開始の予定で、1878年に東京株式取引所(現東京証券取引所)の関係者によって兜町の鎮守として創設された同地区の兜神社と、東京証券取引所は2028年6月に150周年を迎える。

また、2013年の伊勢神宮の式年遷宮が「米座」から「金座」に移って、われわれは好景気になると主張し、実際、株価が上がる時代になっているわけだが、次の2033年の式年遷宮は「金座」から「米座」に移ることになるので、少なくとも2033年までは株価の上昇のサイクルが続くと思っていただければよいだろう。

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