三菱「アウトランダーPHEV」電動SUVの進化に歓喜 SUVでありながら高級セダンのような乗り心地

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アウトランダーPHEVのスタイリング(写真:三菱自動車工業)

アウトランダーPHEVは、今年刷新され、新型として誕生した。前型の後期から三菱自動車工業であることを特徴づけるフロントグリルの造形ダイナミックシールドが2015年からすでに採用されてきたが、新型はさらにそれを強調した外観が目を釘付けにする。先に「デリカD:5」のマイナーチェンジで用いられた縦長のヘッドライト部分の造形が、SUVではよけいに目立ち、独創性を訴えかけてくるのだ。車体も大柄になり、まさに威風堂々といった外観だ。

技術面では、電気駆動系がより高性能化された。車載のリチウムイオンバッテリー容量が従来の13.8kWh(キロ・ワット・アワー)から20kWhへ、45%近く増量された。前輪モーターは60kWから85kWへ、後輪モーターは70kWから100kWへ性能を向上させている。前後モーターの駆動力の配分と、前輪左右のトルク配分は前型より採用されているが、新型では後輪の左右トルク配分が追加された。

また、ドライブモードが前型は5つであったのが、新型では7つに増えた。パワーモードとマッドモードが新しく、エコ、ノーマル、ターマック、グラベル、スノーは継承されるが、ターマック(旧スポーツ)とグラベル(旧ロック)は名称が変更された。そのほか、運転支援技術やSOSコールの追加など、機能が刷新または新設されている。

試乗で感じた高級セダンのような乗り味

アウトランダーPHEVのインテリア(写真:三菱自動車工業)

今回の試乗は、発表前に敷地内のサーキットコースで行われた。そのため、試乗での印象は限定的となる。それでも新型の進化には驚かされるばかりであった。サーキットコースでは、周辺の建物や歩行者などほかの交通がないので、速度感覚がわかりにくい。よほど速度計を注意して見ていないと高速走行になりすぎる傾向になる。だが、あえて公道を意識した運転をしたつもりだ。

何より印象深いのは、アウトランダーPHEVがSUVというより、上級車あるいはそれ以上の高級車のような乗り味になっていたことだ。静粛性はもちろん、力強く滑らかな加速、そして乗り心地の快さが抜群だ。運転席からの視線は高いが、高級セダンにでも乗っているかのような気分にさせられた。

背が高く、横幅も広い大柄なクルマだが、ハンドル操作をしたときの動きが軽やかで、快活な運転感覚が運転する喜びを湧き起こさせる。

次ページ試乗でわかった劇的な進化、PHEVの未来を妄想する
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