66のエージシュート達成!! ゴルフで社会貢献

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プロゴルファー/青木 功

 今年で68歳になるいまも、毎日充実した日々を送らせていただいています。これもゴルフとの出会いのおかげ。その感謝の意味で毎年開催しているのが、ジュニア育成を目的とした「ジュニアクラブ」、それに今年も開催した「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」です。
 これは、親友でジャズミュージシャンの日野皓正さんと2人で、病に苦しんでいる子どもたちの役に立ちたいと考えたのをきっかけに、多くの方々に支えられて実現したプロアマ大会です。本年はスポーツ界で尊敬する先輩の王貞治さんが、「難病と懸命に闘う子どもたちに勇気と希望を与える手伝いができれば」との言葉とともに、実行委員に加わってくださいました。

競技方法は、プロと各分野の著名人、それにゲストの一般アマの2人、計4人で回るのですが、プロがバーディを取るとアマチュアのハンディが一つ増える、というもの。たとえばハンディ10のアマチュアは、一緒に回ったプロが3個のバーディを取るとハンディ13として計算される。ですから毎ホール、アマチュアはプロのプレーを自分のことのように応援してくれるので、楽しくプレーできるわけです。ただし、同じ組のプロが活躍すればのことですがね。

大会初日、石川遼君をはじめ丸山茂樹君、片山晋呉君など32名の現役バリバリの選手が参加してくれたせいもあるけど、実は、自分は初日、77の5オーバーをたたいて、ビリだったんです。大会ホストなんだからお客様を立てていていいじゃないか、そう言う人もいるけど、闘争心に火がつきました。闘争心がなかったらゴルフなんてとっくにやめています。
 翌日の最終日の朝、練習でグリップを、チョッとフックに強く握ったら調子がいい。ショットがよくなるとパットも調子がいいんだね。午前のハーフを5バーディの31で上がってしまったんです。ハーフターンで軽食を取ったとき、「5アンダー」と言うと、みんな気づかって、「午後はパープレーで回ってもエージシュートだね」とは言わないんですよ。いい選手はね、自分で言うのも変だけど、緊張感のあったほうがよいプレーができるんです。

結果は66でエージシュート達成。日本シニアオープンゴルフ、それに鬼ノ城シニアオープンでもエージシュートは経験しているけど、いずれも大会最終日。やはり最終日にかける適度な緊張感が好プレーにつながるんですね。

普段、友人たちと気楽なゴルフをしている著名人たちも、舞台で演じるときと同じ気分になったらしく、「こんなゴルフも楽しい」、そう言ってくれました。著名人は明石家さんまさんや中村勘三郎さんなど28名。忙しい方々が2日間も時間を割いてくれたおかげで、3団体へ多くの寄付ができました。みなさんに感謝です。

プロゴルファー/青木 功(あおき・いさお)
1942年千葉県生まれ。64年にプロテスト合格。以来、世界4大ツアー(日米欧豪)で優勝するなど、通算85勝。国内賞金王5回。2004年日本人男性初の世界ゴルフ殿堂入り。07、08年と2年連続エージシュートを達成。現在も海外シニアツアーに参加。08年紫綬褒章受章。
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