かまいたち「レギュラー番組が増えた」3つの要因 YouTubeからも見える「2人のこだわりのなさ」

拡大
縮小

2つ目の理由は、求められているものを確実に提供する抜群の対応力があることだ。

芸人の中には、自分たちの芸にプライドを持っていて、仕事を選ぶような人もいるのだが、かまいたちの2人はいい意味でこだわりが少なく、スタッフに求められたことは何でも積極的にやろうとする。

上京して東京のテレビに出始めた頃には、知名度がない状態から自分たちを積極的にアピールしていった。

大勢の芸人がひな壇に座っている『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)では、少しでも目立つために、ボケ担当の山内健司は掃除機を股間に当てる体を張ったパフォーマンスをたびたび披露した。一方の濱家も先輩芸人にイジり倒され、椅子の上に座っていることから「いすのうえ隆」に改名することを勧められたりした。

「そこまでしなくても……」

芸歴や大阪での実績を考えれば「そこまでしなくても……」と思われるほど、上京当初の彼らはガツガツしていた。「自分たちは大阪では売れっ子だったんだ」というような余分なプライドを一切見せず、先輩からの愛のあるイジりを全面的に受け入れていた。

ここで彼らの覚悟がテレビスタッフや共演する芸人にも伝わり、かまいたちは信頼を勝ち取った。それがその後の快進撃につながっていった。

彼らは『かまいたちチャンネル』というYouTubeチャンネルを持っている。ここでも彼らは「顧客ファースト」に徹していて、「好きなコンビニスイーツBEST5」のようなよくあるわかりやすい企画を行っている。

好きなコンビニスイーツを紹介する2人(写真:You Tubeより)

芸人のYouTubeチャンネルでは、笑いを取るために独自のお笑い番組の企画っぽいことをやる人も多いのだが、そういう企画が再生数を稼げるとは限らない。彼らは「YouTubeにはYouTubeのやり方がある」と割り切っていて、その範囲で動画を更新し続けている。

次ページ3つ目の理由は?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT