日立製作所は4期連続最終赤字、09年度無配でも和やかな株主総会。川村会長の報酬は1億円超

日立製作所は4期連続最終赤字、09年度無配でも和やかな株主総会。川村会長の報酬は1億円超

日立製作所は6月29日、東京都中野区の中野サンプラザで定時株主総会を開催した。報道陣は丸の内・本社でのモニターを通じて視聴した。
 
 総会は4月に社長に就任した中西宏明社長(=写真=)による、近年の業績不振と09年度の無配に対するお詫びから始まった。その後は中西社長が「創業100周年を迎える本年は守りから攻めに転じるターニングポイントの年。ITで高度化された社会イノベーション事業を次の100年の成長を支える注力事業と位置付けている」と説明。5月31日に発表した中期経営計画で示した2012年度の純益2000億円の安定的確保への自信を示した。

来場した株主から出た「この4年間で1兆円を超える赤字となった原因を明らかにしていただきたい」という質問に、中西社長が「経営の失策はあったと私も思うが、中途半端だった選択と集中を明確にして、しっかり立て直すことで推進していきたい」と回答した。

「人を大事にしていることを従業員ごとの報酬額など数字で示して欲しい」という質問には、八丁地隆副社長が「経営者の報酬決定は、月俸は自主返上も含めて標準額の30~50%減額している。業績連動報酬は執行役は(年収の)おおむね30%となる水準で基準額を定めている。その業績連動は、全社経営に対する責任がある副社長以上はゼロ、執行役全体では標準の1割(9割減)まで落としている」と、イマイチかみ合っていない返答を行った。

「御三家(日立電線、日立金属、日立化成工業)を完全子会社として取り込まないのか」、「苦戦している家電事業はやめてはどうか」といった質問もあった。これについては、三好崇副社長が「御三家とは今後もシナジーを利かせていく」「家電は調達の見直しなどで09年度後半から改善し今エンドはプラスになる。先々を考えると一段の原価低減や他社との提携も考えていくが、新興国での展開やスマートハウスを考えると家電を持っていることの意味はある」と答えた。

優先交渉権を獲得したものの、政権交代の影響で交渉が進んでいない英国の高速鉄道案件(IEP)の進捗に対する質問には、次のように回答した。「保守党と自由党の連立政権が緊縮財政の下ですべての大型案件を見直しているが、日立の提案は英国内で大きな雇用を見込める、これまで日立が納めた鉄道の評価が高いことなど有利な状況もある。社長以下、英国政府筋に働きかけてる。日本政府や大使館も支援。会社を挙げての体制で一日も早い契約に全力を尽くす」(欧州担当のスティーブン・ゴマソール執行役専務)。

「中西社長のリーダーシップに期待している。かつての強かった日立の姿を思い起こしてなんとしてもがんばってほしい」、「もうすぐ80歳になるが、日立株を54年間保有している。長期保有株主に対する株主懇談会や工場見学を考えて欲しい」といった発言もあった。

ただし、4期連続の最終赤字、09年度は無配という状況にもかかわらず、株主から厳しい発言は少なかった。前期決算から、上場企業に対しては、報酬1億円以上の役員の氏名や金額の個別開示が義務付けられているが、日立の株主総会では、この問題に関連した質問は出ず。朝10時に始まった総会は1時間38分で終了した。

別途会社が開示したところによると、1億円以上の報酬の役員は川村隆会長が該当。報酬額は1億3400万円だった。月俸を5割返上、業績連動報酬がゼロでも1億円超の報酬となったのは、09年度は会長と社長を兼任していたために月俸の基準額が高かったという理由のようだ。

(写真は4月7日の就任会見での中西社長)

(山田 雄大 =東洋経済オンライン)

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