高い山より危険!流行する「近場で登山」のリスク 秋の山で遭難しないための「7つの鉄則」

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山岳遭難が発生する原因には事前の準備、知識、体力、装備品、これらが不足していることなどいろいろ理由が挙げられます。山岳遭難を防止するうえで大切なのはまず目的とする山を理解することです。

ルートや危険箇所、所要時間などを事前によく調べ、自分の体力と経験などを考慮し、何時に出発すればよいのか、どのような装備品が必要なのかを細かく検討することが必要」(前出・神奈川県警の担当者)

そこで登山時には次の7つの鉄則を守りたい。

(1)ルートの確認

「間違えたら元に戻る。それが鉄則です」(飯田さん、以下同)

みんなが間違えることで間違った道なのに、地面が踏みならされて硬くなっている。そのためそちらが正しい道だと勘違いしてしまいがち。ベテランでも見分けるのは困難なのだ。

(2)早めの救助を要請

「“まずい、下りられない”と思ったらすぐに救助を要請してください」

身体が動けば山の尾根に向かって登ること。尾根に出れば道にぶつかる可能性もある。だが、ふもとに明かりが見えても絶対に下ってはいけない。森が険しくなり、もっと迷うおそれがあるからだ。

子どもと山に行くときには…

(3)持ち物と服装を整える

「“すぐ帰ってこられる”と、日帰り登山では十分な準備をしていない人が多いのですがこれは危ない。必ずヘッドランプは持っていってください」

もしライトを持たずに森の中で暗くなってしまったら下山は不可能、その時点で遭難する可能性は高くなる。

服装も重要だ。中には薄着にサンダルで富士山を登る人もいるというが……。

「雨で服が濡れると夏でも低体温症になります」

拾った棒は転倒したときに刺さることがあるので危険。登山用の杖などを用意したい(写真:週刊女性PRIME)
(4)エスケープルートの確保

孫と一緒に登山を考えている中高年もいるだろう。

「子どもたちは最初、元気ですが、途中でパタリと動けなくなってしまいます。なんとか頑張らせようとしても動けなくなってからでは対応できなくなってしまう。そのため、エスケープルートを確保しておくことが大切です」

どこまで行けば安全に休憩をとれるのか。頂上まで登ったら下りる手段がある、ケーブルカーやバスが通っているといったようにいざというときのルートを確認しておく。大人だけの登山よりも入念な下調べをする必要がある。

子どもたちからは目を離さず、走ったりふざけたりしないように伝えることも重要だ。

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