働かないオジサンが「ヒラを生きる」極意 「自ら役職を降りる」選択は正しいのか

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「なぜあの人は、働かないのか?」「働かないオジサンの4類型」「働かないオジサンにならない4つの働き方」など、研究の集大成がついに刊行!
どこの職場にもいる、「働かないオジサン」――若手社員の不満が集中する彼らは、なぜ働かなくなってしまったのか? 「どこの職場にもいる」ということは、何か構造的な問題が隠れているのではないか? ベストセラー『人事部は見ている。』の筆者が、日本の職場が抱える問題に鋭く迫る。
※ 本連載が、単行本になりました。
人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』(税込み1404円)。
働かないオジサンが生まれる構造的な要因を特定し、その要因を避けて何歳になっても成果を出す「4つの働き方」を解明。さらに「働かないオジサンにならない7カ条」もついた、「働かないオジサン」研究の集大成です。

 

「半分降りる」ことはどうなのか?

「ヒラを生きる極意を聞きたいのです」という内容のメールをもらった。送り主のT氏は47歳。妻と高校生、中学生の子どもと4人暮らしである。大学卒業以来、上場企業の子会社である販売会社(従業員約200人)に勤めており、現在は課長の地位にある。47歳という年齢を考えれば、平均的に出世してきたと言えるだろう。

T氏が働いている会社は、大幅な組織変更が検討されていて、それに向けて上司との個別面談が予定されている。管理職としての力量を見極めるためだという。管理職の割合が高く、コスト削減の観点からも役職の削減を行う予定で、T氏もその対象になった。そこで、ヒラ社員になって執筆に取り組んだ経験がある私の話を聞いてみたいと思ったという。

「極意かぁ」と苦笑しながら、ビジネス街の喫茶店でT氏と会った。

彼は、長年経理を担当しているが、入社時から、会社生活にはそれほどなじめなかったという。若い頃は、日曜日の夜になると気分が沈む「サザエさん症候群」だったそうだ。経理の知識は豊富で、実務に弱い部長を十分にサポートできるレベルにあるものの、社内の仕事には意味を感じていない。そのため、自分は「働かないオジサン」だと自認している。

T氏は、今回の組織改編の機会に「役職を降りてもいいかな」と考えているという。

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