【産業天気図・業種別業績予想集計】「会社四季報」2010年3集夏号

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『会社四季報』2010年3集・夏号(10年6月発売)の最新データを基にした独自集計によれば、今2011年3月期の予想営業利益(金融除く全産業)は、23兆4443億円。前10年3月期比34.8%増と、前号時点の予想から6.7%改善している。来12年3月期も、今期予想比14.9%の営業増益が見込まれている。
 
 回復の度合いは、製造業で特に顕著だ。製造業の今期予想営業利益は前期比54%増。非製造業の16%を大きく上回る。製造業では中国など新興国向け輸出が成長回復の原動力だが、内需への依存度が高い非製造業では、雇用不安やデフレ進行が痛手となるようだ。 

業種別にみると、銀行・保険を除く31業種中、四季報前号より予想営業利益の合計額が上方修正された産業は24業種。前号時点からの予想引き上げ幅が大きいのは海運業で、前号比64.3%増だ。業界予想営業益は2939億円で、前期実績比では黒字転換が見込まれる。このほか、60.1%増の石油・石炭製品、32.8%増の空運業なども伸び幅が大きかった。

一方、今期営業益予想が前号よりも後退するのは7業種。鉱業(11.5%減)、パルプ・紙(10%減)、その他製品(9.6%減)などだ。
 
 四季報記者の見立てでは、12年3月期は全業種が営業増益に転じる見通し。ただ、外部環境には欧州財政不安や中国人民元の切り上げ、国内外の消費奨励策の廃止など、懸念材料も少なくない。順調な回復が続くか、展望はまだ不透明だ。

■次ページに業種別営業利益・純利益予想の集計表を掲載

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