美人ヴァイオリニストの「質素な恋愛観」 新アルバム、恋愛・・・川井郁子さんにズバズバ質問!

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かわい・いくこ●ヴァイオリニスト、作曲家。香川県出身。東京芸術大学卒業、同大学院修了。現在、大阪芸術大学(芸術学部)教授。音楽活動のほか、「川井郁子 Mother Hand 基金」を設立。国連UNHCR協会国連難民親善アーティスト、日本ユネスコ国内委員会委員を務めるなど多彩な活動をしている。

――アルバムにはご自身が作曲された「Blue Bird」も入っています。

吉永小百合さんが主演された、映画「北のカナリアたち」の音楽ですが、映像を最初に見せてもらったとき、雪景色が浮かんだんです。静かな雪の世界に独り自分に向かい合い、孤独を感じながらも、どこかへ飛翔していきたいような……そんな切ない気持ちで書いた曲です。孤独と飛翔、相反する気持ちなんですが、当時はそんな気持ちが自分のなかにありました。

和っぽいテイストもあって、サビのメロディは映画の音楽ではヴァイオリン演奏ですが、コンサートでは尺八を使ったりもします。今回のアルバムではチェロを使っています。

――作曲するときには、そのときの自分の気持ちを込めるものですか。

ピアノで和音をポンポンと出していきながら、メロディをつくっていくんです。そうすると、その和音に誘われるように自分の気持ちが出てくるイメージですね。その過程のなかで、気持ちが高まってくる。はじめから「こういう気持ちで曲を作ろう」ということはないです。

――そうすると、作曲には自分の心を探り、癒やしていく面もありそうですね。

すごくあると思います。

タンゴ、和の世界、弾き振りも

――今後のご予定、いろいろと盛りだくさんです(取材は8月8日)。

アルバムが出たばかりなので、そのプロモーションで全国ツアーが始まりますのでその打ち合わせとか、私自身がタンゴを踊る舞台(8月10日に開催)や、8月30日(タンゴに魅せられて、大阪)、9月6日(道~blue bird~、東京)と、まったく違うジャンルのコンサートもいくつか控えています。11月から始まる全国ツアーでは、弾き振りといって、指揮もやるんですよ。いろいろなことが同時に動いているようで、切り替えが大変です(笑)。

――ヴァイオリニストがタンゴも踊る、というのは珍しいですよね。

他の方の舞台にゲストで出たことがあり、はまってしまったんです。というのも、タンゴは演奏するのも大好きで、ヴァイオリンを弾いているときはまるで踊っているみたいと言われることも多いんですね。だから、違和感がない(笑)。ピアソラがまだメジャーになってない15年前、人に勧められて聴いて、感激したんです。私がデビューでお世話になった宮川泰先生と、コンサートでいっしょに演奏したのがきっかけで、どんどん“タンゴ熱”がエスカレートしていった感じです。

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