【産業天気図・証券業】市場不透明感強く、株式引き受けも反落。収益伸び悩み「曇り」で足踏み

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10年4月~9月 10年10月~11年3月

証券業界の景況感は、2010年4月から1年通じて「曇り」程度で足踏みしそうだ。新興国関連の投資信託や外債販売は高水準を保つが、国内株式市況の不透明感が強い。前10年3月期にブームだった株式公募増資も下火が予想され、収益は全般に伸び悩みが見込まれる。

4月は国内外の株式市場が高水準で推移したことや、ブラジル、中国など新興国関連の投信、高利回りの外債などの販売が好調だったことから、証券各社はどこも好調だった。しかし、ゴールデンウィーク前後から欧州財政問題の混迷などで内外の投資家心理が一気に冷え込み、5月の業況は大きく反落。

6月後半にかけ日経平均が一万円を回復するなど投資家心理に改善の兆しも見られるが、欧州財政問題や円高ユーロ安懸念、中国はじめBRICs諸国のインフレ懸念、米国の金融規制強化の影響といった懸案が消えたわけではなく、先行きの不透明感は強い。

「会社四季報」(夏号)における証券界全体の11年3月期営業利益は、前期比6.2%減と小幅減益が見込まれる。要因としては、前期に三洋電機株の売却益計上で大きくカサ上げされていた大和証券グループ本社<8601>の営業利益がほぼ半減することがある。また、大手・準大手以下全般に、営業利益はせいぜい小幅増益と伸び悩む見通しだ。

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