【産業天気図・海運業】大型バラ積み船など回復着実、1年通じて「晴れ」以上、ただ欧州運賃相場は要注意

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 今11年3月期は、3社とも慎重な見方を崩していないが、年1回に値決めする北米航路のコンテナ船の運賃は3社の想定を上回る水準で妥結。3カ月に1度見直している欧州航路のコンテナ船運賃も足元は3社の想定水準を上回っている。

最大の収益源であるバラ積み船は、大型のケープサイズの年度初来の平均は4万ドル近くと川崎汽船の想定よりも5000ドル近く高いほか、商船三井や日本郵船のほぼ想定線で推移。中型のパナマックスも、年度初来の平均約3万3000ドル主要各社の予想を上回っている。

こうしたことから、「東洋経済オンライン」は主要3社の会社計画は上振れするとみている。後半の後退は、リーマンショックの打撃からの反動増が上期ほど強くないため。それでもコンテナ船の需給改善や自動車船の荷動き改善で「晴れ」は維持できそう。

懸念材料は欧州の運賃の下落。3社とも下期の運賃下落をある程度織り込んでいるものの、想定を上回る急激な下落があれば景況感に影響する。中型の油送船であるアフラマックスの運賃が足元で採算割れを起こしていることには要注意だ。急激な為替変動や燃料油の高騰にも要注意だ。

(山田 雄一郎=東洋経済オンライン)

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