【産業天気図・ガラス・土石製品】ガラスは後半「晴れ」へ一段改善、電子関連のアジア需要旺盛、ただ回復度は地域でまちまち

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予想天気
10年4月~9月 10年10月~11年3月

ガラス業界は2010年4月~9月は「曇り」にとどまるが、後半の10年10月~11年3月は「晴れ」に一段改善する見通しだ。建築用などで新興国から引き合いが活発化、需要は底入れしている。ただ、製品や地域によって回復度はまちまち。曇りがちの晴れというのがふさわしい状況だ。

ガラスは世界各国の政策による自動車購入支援策の効果や、ロシア、ブラジルなど新興国での建築向け品の需要増で回復に向かっている。

液晶パネル用基板、太陽光発電パネル用基板など電子・環境関連のガラスも成長が続いている。特に液晶パネル用は、中国・アジア市場中心に品不足が続いている。絶えず値下げ圧力がある電子関連で例外的に底堅い価格動向だ。

ただ、財政不安ただ中の欧州は回復度が鈍く、日本・米国も小幅な戻りにとどまる。

主要企業でみると、世界首位級のガラスメーカーである旭硝子<5201>は、2010年12月期は大幅営業増益になる。原動力は電子関連のガラスで、営業利益の80%以上が液晶パネル用ガラス基板など電子関連が占める見通しだ。

一方で日本板硝子<5202>は06年の英国ピルキントン社買収の結果、欧州での売り上げが43%を占める。電子向けも旭硝子ほど強くない。買収に伴うのれん償却も重く、11年3月は人員・設備削減でやっと営業黒字になる程度。旭硝子とは明暗を分けている。

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