誰もが「ワーママ」の増殖に戸惑っている あんな母、こんな母、どんな母……!

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でも、できれば、そういう人がいたからといって「ワーキングマザー」としてひとくくりに見ないでほしいなと思います。あなたの周りのワーキングマザーたちにも、いろいろなタイプがいることを発見してほしい。仕事人として優れた人もきっといるはずです。

そういう人たちを見つけて、「ああ、彼女たちも、いっしょくたにされて気の毒だわ」と思ってもらえればうれしい。きっと優れたワーキングマザーたちからは、今のあなたにも学ぶところがあるはずだし、将来の自分を重ね合わせることもできるかもしれない。あなたにもライフイベントはいつ訪れるかわからないのですから。

今ひとつなワーキングマザーたちから受ける「実害」については、組織的に解決するほうがよいでしょう。上司に「○○さんが担当業務を最後までやらないことが頻繁にあり、自分が長時間労働になっている」と伝えることは、「告げ口」「意地悪」でもなんでもありません。

その事実を踏まえて、どうフォローしていくべきか上司と一緒に考えることが大事です。そうすれば、あなた自身のもやもやは、あなたの感情ではなく組織の課題意識になるわけだし、最終的には彼女自身の成長にもつながるはずです。

ワーキングマザーたちは、制約を抱えること、少数派として目立つ存在になることで、自分の課題をつまびらかにしてしまいます。それを克服しようとする人、「仕方ない」とうそぶく人、それは個人差以外の何物でもありません。

あなたが彼女たちの中に、「いかがなものか」と思う人を見つけても不思議じゃないし、あなたは嫌な人でも心の狭い人でもありません。「イラッ」にふたをしないで、そこから学ぶこと、解決策を生み出すことができたら、きっとあなたはもっとすてきなビジネスウーマンになれます。「イラッ」は成長の源泉、と私は思います!

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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