東西の新線構想も飛び出た「品川再開発」 東京都、JR、京急、西武…4者それぞれの思惑

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JR東日本は、「改定ガイドラインの内容とも整合をとりながら、当社の品川開発の具現化を図っていきたい。1年程度で道路などの都市計画の素案を作りたい」としている。新駅周辺にはオフィスビルや商業施設・住居棟などが建つと予想されるが、東京国際フォーラムのような大規模イベントや展示会を開催できるコンベンションセンターを造る可能性がある。

「これまで当社が経験したことのない規模の開発」と、未知の領域に踏み込む中、社内組織も万全の体制で再開発に臨む。6月には再開発案件を担う「品川・大規模開発部」を新設。「品川」という言葉をあえて部署名の頭に掲げた。

京急への恩恵も大

品川再開発にかかわる事業者は、JR東日本だけではない。京浜急行電鉄(京急)への影響も大きい。

京急は泉岳寺・品川から神奈川の三浦半島に至る路線を有する。1998年に羽田空港への乗り入れを果たしたことで、品川─羽田空港間は同社のドル箱路線に変わった。羽田空港の発着枠拡大と品川再開発は格好の追い風だ。

「品川・高輪周辺にある6万平方メートルの土地を生かし、品川・羽田を玄関口とした沿線の活性化を進めている。今後は関係者と協議しながら、活性化の方法を見いだしていきたい」(京急)。すでに周辺の土地を取得するなど、準備に余念がない。品川駅前にも京急が中心となり、大規模ビルを建設する予定だ。

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