【産業天気図・放送・広告】景気持ち直しで最悪期脱すも、下期息切れ懸念で「曇り」止まり

拡大
縮小


 その象徴がテレビの番組と番組の間に流すスポット広告。今年2月、東京地区のスポット出稿額は前年同月比で、2年ぶりにプラスに転じた。化粧品や食品、飲料といった内需系の企業を中心に出稿が戻ってきており、3~5月も100%を超えた。

6月のサッカー・ワールドカップに続き、7月には参議院議員選挙、といったイベントも控えているのも業界にとっては追い風だ。特にワールドカップ関連ビジネスを手掛ける電通にとっては、収益を大きく押し上げる要因となるだろう。

とはいえ、通期で見れば決して楽観はできない。テレビ広告でいえば、スポットと並ぶもう一つの収益柱であるタイム(番組スポンサー広告)の減少に歯止めがかかっていない。3カ月~1年といった長期契約が基本のため、広告主が固定費となるのを嫌っているためだ。また9月末にエコカー補助金、12月末にエコポイントが終了することもあって、広告市場全体が下期は息切れする懸念もくすぶる。
 
 足元を見る限り、最悪期は過ぎ去った感があるものの、本格的な回復にはまだまだ時間がかかりそうだ。  

(中島 順一郎=東洋経済オンライン)

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT