ソリオ対ルーミー、売れ筋トールワゴン徹底比較 販売台数2位と14位、トヨタの販売力が際立つ

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ルーミー カスタムG-Tのリアビュー(写真:トヨタ自動車)

対するルーミーの1.0L・3気筒エンジンは最高出力69ps、最大トルク9.4kgf-m。同エンジンのターボ車は、最高出力98ps、最大トルク14.3kgf-mだ。ルーミーのガソリン車は、市街地などの低速走行では問題ないが、遠出などを考えるとややパワー不足を感じるかもしれない。高速道路などでは、ついついアクセルを踏みすぎて、エンジン回転数が上がり、燃費が悪くなったり、静粛性もよくない。恐らく、1080~1140kgという意外に重い車両重量が影響しているのだろう。

ソリオの車両重量は960~1040kgで、ルーミーよりも100kg以上軽い。走りの差が出るのは重さが関係しているといえる。ただし、ルーミーも1.0Lターボ車であれば、十分なパワーがある。休日などに家族で遠出なども考えているならば、ルーミーの場合はターボ車を選んだほうがいいだろう。

運転席の視界や車内・荷室の広さ

ファミリー層が主なターゲットであるコンパクトトールワゴンは、室内の広さや快適性、使い勝手の良さが非常に重要なファクターだ。まず、運転席からの視界は、両車ともにアイポイントが高く、水平基調のインパネデザインなどにより、非常に前方が見やすい。メーターは、ソリオがセンターに配置、ルーミーはドライバー前方のステアリング奧に配置したオーソドックスなスタイルだ。このあたりは、好みの問題だろう。

なお、ドライビングポジションの調整は、両車ともにシートの前後位置や座面の高さを変更可能だ。ただし、ステアリング調整については、両車とも上下位置を調整するチルト機構のみで、前後位置を調整するテレスコピック機構はない。ドライビングポジションをドライバーの体格などに合わせることは、安全性にも関わる重要な要素だ。両車とも幅広いユーザー層が利用するクルマだけに、ステアリングについても、より幅広い調整機構の搭載を望みたい。

室内サイズは、ソリオが長さ2500mm×幅1420mm×高さ1365mm。ルーミーは長さ2180mm×幅1480mm×高さ1355mm。幅はルーミーのほうがやや広く、ソリオのほうが若干ながら長くて高い。だが、広さ自体はほぼ互角だといえる。例えば、両車はいずれも運転席と助手席の間から後席へ移動できるウォークスルーが可能だ。後席のチャイルドシートに乗せた幼児を世話する際など、車外に出なくても車内移動が可能で、特に雨天時などで重宝する。また、小さな子どもが立ったまま着替えなどができる余裕ある室内高を持つ。

ルーミー カスタムG-Tのインパネまわり(写真:トヨタ自動車)
ソリオHYBRID MZのインパネまわり(写真:スズキ)
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