デタラメでもいい! 英会話は「楽しい」が大事 英語教育を変えるキーパーソン 加藤智久(4)

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安河内:見学すれば、心配が払拭されるんじゃないかな。「英語で授業」と聞くと、ペラペラの先生が、生徒は全然わからないのも構わずに、偉そうにしゃべって教えるというイメージもあるかもしれません。でも、実際、そんなに英語が上手な先生はほとんどいません。だいたいの先生がカタコトのクラスルームイングリッシュを一生懸命覚えてやっている。先生自身がすごく頑張っているので、生徒にも波動が伝わっているのです。期待値が高くなかったぶん、うれしさも倍増でしたね。

こんな授業が昔もあったら……

安河内:ただ私が行ったのは、文科省さんや教育委員会から紹介された……。

加藤:重点校のような?

安河内:そう、重点校だったのです。だから、もしかしたら一般の学校ではパニックが起こっている可能性もあります。視察に行くと、ある程度、準備されていますから。2週間ぐらい前から練習していた、なんてこともあるかもしれません。まあそれでも、視察に向けて先生と生徒が「先生がこう言ったら、君たちはこう答えて」というような練習を重ねたとしても、その過程は大事な英語のインプットとアウトプットの場になっていますから、悪くはないですよね。

「自分が中高生の頃に、こんな先生でこんな授業があったらよかったのに」と思えるほどの内容でした。私たちの頃は全文和訳と意味調べしかやっていないですからね。洋楽を聞いて歌詞をなぞったり、ディスカッションやディベート、プレゼンテーションもやっていましたよ。

加藤:プレゼンもですか?

安河内:生徒が5人ずつぐらいのグループになって、「自分たちが作った理想のホテルを宣伝しましょう」というお題が出たりしていました。Our hotel is Kawaguchiko Hotel. Room rate is 10,000 yen a night. We have a swimming pool, fitness room, and…というようなことを、つたない英語ではありますが、大きな声で説明している。それに対して、ほかのグループの生徒たちが、Can we bring our pets?とか質問して、それに答える時間なんかもある。

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