「グループ経営強化で勝ち残る」SMFGの本気 システム刷新でオラクルを選んだ理由とは?

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SMFG財務部長 岡橋 準
長引くマイナス金利、フィンテックの隆盛……。伝統的な銀行業、いわゆるメガバンクは今、岐路に立たされている。そんな中でグループ経営の強化を打ち出しているのが、三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMFGまたはSMBCグループ)だ。グループ全体でコストコントロールして捻出したリソースを、成長分野に集中的に投入し、限りある経営資源を適切に再配分しようという発想だ。

数あるサービスの中から「オラクルを選んだ」理由

SMBCグループが具体的な取り組みとして着手したのが、グループ統一の会計システムの導入だ。現状は各社それぞれが会計システムを持っていて、グループのどの事業にどれだけ収益性があるのかを比較するのに時間を要している。そこでグループ統一のシステムを導入して、各社から上がってくる会計データを可視化することで、迅速な意思決定につなげる考えだ。

グループ統一の会計システムを採用する理由は、経営状況の見える化だけではない。SMFG財務部長の岡橋準氏は「会計業務を標準化すれば、各社の負担を軽くして間接業務コストを削減できる。もちろんITコストそのものも抑制可能です」と、その狙いを明かす。

SMFGがツールとして採用したのは、「Oracle Fusion Cloud ERP」だ。数あるサービスの中からオラクルを選んだ理由を、IT企画部部長の髙橋大輔氏はこう明かす。

IT企画部部長 髙橋 大輔

「SMBCグループは、銀行や証券をはじめとする、マーケットそれぞれに歴史のある企業によって構成されています。グループ各社それぞれがビジネスに合わせ独自の基幹システムを運用しており、会計システムを統合するのは非常に困難と思われていました。オラクルのERPは、全社標準化できるだけでなく、各社固有の要件を実装できる柔軟な仕組みがありました」

導入は、銀行、証券、信託を含むグループの主要5社から。運用開始予定は23年度を予定しており、プロジェクトが本格的に進むのはこれからだ。財務部部長の長坂存也氏は、決意をこう語ってくれた。

「システム導入がグループ経営への意識改革につながればいい。決して簡単ではありませんが、私たちが成功すれば、本腰を入れて取り組む会社がほかにも出てくるかもしれません。ぜひ先陣を切って、社会にいい影響を与えていきたいですね」

SMBCグループのシステム導入プロジェクトの詳細は、こちらのページから無料でダウンロードできるPDFで確かめてほしい。とくにグループ経営を進めたいと考えている経営者は、第一歩を踏み出すためのヒントを得られるはずだ。

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