無意識の「歯ぎしり」や「食いしばり」に注意 夏バテならぬ、「アゴバテ」に悩む人が増加中

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あご疲れを解消するには、歯科で原因を突き止めてもらうことがなにより。歯ぎしりや食いしばりがあれば、マウスピースによって歯を保護し、クッションの代わりとすることで、あごへのダメージも軽減できるそうだ。しかし、何よりも重要なのは、日頃から歯ぎしりなどを防ぐこと。

「歯ぎしりや食いしばりの原因としては、ストレスが大きい。仕事が多忙なとき、あるいは、こじれた人間関係、さらには、帰省ラッシュの渋滞など、環境変化に伴うストレスもあります。それらを軽減することが予防につながります」

どんな予防法があるのか

遠藤院長によれば、予防法は次のとおり。

①自律神経のひとつ、交感神経が優位になるのを防ぐため、寝る1~2時間程度前に風呂に入り、筋肉をほぐしてリッラクスする

②寝る直前までスマホを見ていると、興奮した状態が続くため、1時間前には止める

③姿勢が悪いのも原因となるため、日頃から正しい姿勢を心がける

④物を食べるときに、片方の顎だけで噛むのではなく、両方の顎の歯で噛むようにする

⑤口を大きく開けたり閉じたりの体操をする

「歯ぎしりがひどい人でも、ゆっくりぬるま湯に入ってリラックして寝ると、筋肉の緊張がほぐれて、歯ぎしりが出にくくなります。もちろん、ストレス社会ですからリラックスを心掛けても、改善しないことはあります。

また、あご疲れは、歯ぎしりではなくても、あごの骨がズレても起こりますし、歯の痛みは虫歯ということもあるでしょう。違和感があったときに放置せずに、一度は、歯科を受診して原因を突き止めてください。その上で、治療や予防など、正しい対処をしていただければと思います」と遠藤院長は話す。

安達 純子 医療ジャーナリスト

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あだち じゅんこ / Junko Adachi

東京生まれ。医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。大手企業のOLから転身。フリーランスの雑誌記者としてさまざまなジャンルの取材を行う中で、病気の発生メカニズムに興味を持ち、医療関係の記事の執筆に比重を置くようになった。現在は、先進医療といった最新の医療状況をはじめ、免疫疾患や感染症などに強い関心を持つ一方で、生活習慣病といった身近な病気を対象とした記事を数多く新聞等で連載中。身体に個人差がある中で、その人にとっての健康とはなにか。病気の仕組みはどこまで解明できるのか。また、未知の病気の正体はどこにあるのかなどをテーマに現在取材を進めている。

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