「姿勢が悪い人」が知らない呼吸という根本問題 「姿勢」と「呼吸」の切っても切れない関係

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頑張りというのは、体を緊張させるアプローチです。無意識の心身の緊張があなたの姿勢を崩してしまっているのに、頑張ってしまったら逆効果になります。

それよりは、静かにボソッとつぶやくくらいの気持ちでとなえるほうが効果的です。やる気ゼロでも大丈夫ですので、ぜひ気楽な気持ちでのぞんでください。

そのほうが、体がよけいなことをしませんので、フレーズがもたらすイメージを素直に受け取ることができます。結果として、上手に力を抜いて、骨で立つことができるのです。

「頑張らない」を別の言葉で言うと、「よけいなことをしない」ということ。そもそも、私の専門であるアレクサンダー・テクニークは、「しようとしていないのに、無意識にしてしまっていることをやめていく」というアプローチです。

体を緊張させやすいシーンで力を抜く

魔法のフレーズは、みなさんに次のような「新しい選択肢」を提供します。

  • ・姿勢をよくしたいときほど、力を抜いていく
  • ・不安やプレッシャーを感じたときほど、力を抜いていく

その結果として、「美しい」「疲れにくい」「動きやすい」という理想的な姿勢を手に入れられるだけでなく、いままで以上に不安やプレッシャーに強くなれるのです。また、健康や美についてのうれしい副産物もあります。

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先ほどの2つは、ふだんみなさんがやっていることの「逆」だと思いますが、魔法のフレーズを活用していくためにはとても大切な方針です。つねに頭の片隅に置いておいてほしいと思います。

体を緊張させやすいシーンで、超一流のアスリートや俳優のように、逆に力を抜いていく。これができるようになると、人生の質が、生きやすさが変わってきます。

もちろん、「姿勢をよくしたいとき」「不安やプレッシャーを感じたとき」に限らず、常日頃からなるべく力を抜いていくことも大切です。これを機に、「頑張ることをやめる」という視点をみなさんに身につけていただけたら、著者としてこれ以上うれしいことはありません。

大橋 しん 理学療法士、アレクサンダー・テクニーク国際認定教師

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おおはし しん / Shin Ohashi

岐阜生まれ、神戸在住。(株)フローエシックス代表取締役。ドイツでチェロの修業中にアレクサンダー・テクニークを知り、帰国後に理学療法士とアレクサンダー国際認定教師の資格を取得。救急病院勤務を経て、整形外科クリニックにて「特命理学療法士」として数々の難しいケースを解決。2020年に独立し、リハビリと太極拳を中心としたスタジオを開設。著書に『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)がある。

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