ジャガー・Fタイプクーペに乗ってみた! 市販スポーツカーを50年ぶりに一新

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フロント側にヒンジのあるボンネットを開けると、独自開発の3LV6ユニットが顔をのぞかせる。823万円(8%税込み)のエントリー・モデルには、最高出力340ps/6500rpm、最大トルク450Nm/3500rpmを生むスーパーチャージャーつき3LV6ユニットが搭載されている。普段は格納されているドアハンドルがせり上がり、ドライバーを室内に招き入れる。

黒を基調とするインテリアにステッチが施されており、300km/hまで刻まれるスピード・メーターとあいまって、スポーティな気分を盛り上げてくれる。日本の道では決して許されないが、このエントリー・モデルですら最高速260km/hに達し、停止した状態から100km/hまでを5.3秒で加速する。

上級グレードに目を向ければ、1029万円の「S」には、排気量は同じだが、380ps/460Nmまでスープアップしたユニットが搭載されており、0-100km/h加速は4.9秒に短縮されて、最高速は275km/hへと高められる。さらに、最上級の「R」にはタタ・グループに属した後に独自開発した最新の5LV8ユニット(550ps/680Nm)が搭載されており、わずか4.2秒で0-100km/h加速をこなし、最高速はメーターに表示されている通り、300km/hに達する。

俊敏な加速と回頭性

話をエントリー・モデルの「Fタイプ・クーペ」に戻そう。スタートボタンを押すと、派手なブリッピングとともにエンジンが目覚める。エンジンをかけてもおとなしくしている現代のハイブリッドやアイドルストップつきのパワートレインとは、旧来のスポーツカー好きに訴える古典的なスポーツカーらしい演出がニクイ。

シフトをDレンジに入れて走りだすと、エンジン音が心地よくなり響き、1720kgのボディが気持ちよく加速していく。軽量なアルミ素材を使うことでは一日の長があるジャガーだけに、スポーツカーに欠かせないボディ剛性を高めつつ、押出材や鋳造やパネルを使い分けてボディを軽量化することと両立させている点は見事だ。Fタイプでは特に、フロントエンドのボディ剛性を高めることに注力したという。軽量化と高剛性の効用は、スポーティな走りに直結する。実際に、Fタイプではアクセル操作や操舵に対する応答性が高く、俊敏な加速や回頭性を実現している。

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